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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
初クエスト
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点へ移動できるだけのステータスと装備を得られる。

まずは、狭い広場に位置した武器屋に向かう。NPC店主に金を払い、そこそこ防御力の高いハーフコートを買った。購入時に表示された即時装備ボタンをタッチ。初期装備だった麻シャツと厚布ベストの上にハーフコートがしっかりと光を放ちながらオブジェクト化される。俺は武器屋の壁に設置された鏡をチラリと見た。

「……この世界が、俺の死に場所になるかもな……真司(しんじ)

顔の右頬にある2本の傷痕に右手を当てながら、今は亡き親友に語りかける。











武器屋を後にし、次に道具屋へと駆け込み、回復ポーションと解毒ポーションを買えるだけ買った。

アイテムの補給も終わり、道具屋を出た俺は村の奥にある一軒の民家に向かう。中に入ると、台所で鍋をかき回していた《村のおかみさん》といった感じのNPCが振り向き、俺を見て言った。

「こんばんわ、旅の剣士さん。お疲れでしょう?食事を差し上げたいけど、今は何もないの。出せるのは、一杯のお水くらいなのよ」

俺はシステムが認識できるようにハッキリと答えた。

「飲み食いに来たわけじゃない」

やや冷たい言葉を掛けるが、おかみさんは傷ついてるように見えず、ほんの少し笑いながら鍋に向き直る。鍋で何かを煮てるのに《食事が出せない》という部分を、俺は何かのヒントと踏んだ。そのままジッと待ち続けていると、隣の部屋に続くドアの向こうから、コンコン、と子供の咳き込む声が聞こえた。その瞬間、おかみさんは悲しそうに肩を落とす。

更に数秒が経過した後、おかみさんの頭上に金色のクエスチョンマークが点灯した。この点灯はクエスト発生の証。俺はすかさずおかみさんに近づく。

俺が近づくと、おかみさんがゆっくりと振り向き、頭上で《?》マークがピコピコと点滅する。

「旅の剣士さん、実は私の娘が……」

娘が重病にかかってしまい市販の薬草を煎じて鍋で煮込み、与えてもいっこうに治らず治療するにはもう西の森に棲息する補食植物の胚珠から取れる薬を飲ませるしかないが、その植物がとても危険な上に花を咲かせてる個体が滅多にいないので、自分にはとても手に入れられないので代わりに剣士である俺に取ってきてもらいたい。

これが、おかみさんから説明されたクエスト内容である。クエスト報酬は、先祖伝来の《長剣(アニールブレード)》。

ようやくおかみさんが口を閉じ、視界左に表示されたクエストログのタスクが更新された。俺は立ち上がり、家から飛び出した。NPCとは言え、本物の人間とほとんど何も変わらない感じだったが、俺は愛想よくせずに冷たく接っする。

どれだけ人間にそっくりでも、あれは人間ではない。命の無い、ただのプログラム。晶彦の助手を(つと)
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