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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アインクラッド
嵐の中の勝敗
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掛けて撃ち込まれた。

直後、顔に凄まじい衝撃を受け、パンチホッパーは後ろへ向けて勢いよく飛ばされ、ボロ(くず)のように濡れた地面に落下した。

「ぐっ……はっ……!!」

喉から悲鳴まじりの空気が押し出される。顔にはまだ殴られた痕が残っており、鈍く重い痛みが全身を駆け巡った。

左腕を突っ張り、どうにか体を起こし、立ち上がったカブトが一歩前に進んだ。

「……自分だけか……」

頭のネジが外れてしまったような、細い声がマスクの下から漏れた。

「自分だけが……大切なものを失ったと思ってるのか……。お前の兄貴も……俺の大切なものを奪った」

今になってどうにか上体を起こしたパンチホッパーは、疲れ果てたようにその場に腰を掛けたままだった。

もう動くことも、喋ることもできないパンチホッパーに、最後の言葉が告げられる。

「……もう、終わりにしよう」

告げ終えると、ベルトに装着されたカブトムシ型ツール《カブトゼクター》の上部の脚に設置された3つのスイッチを、右手の親指で左から順に押し始めた。

【One】【Two】【Three】

スイッチを1つ押すごとに電子音声が3回流れた。

次いで、カブトゼクターの角を左側に戻し、再び右側に展開した。

【Quick Charge】

最後の電子音声が流れ始めた途端、稲妻(スパーク)がゼクターを伝って右足に収束した。

両足を少し(かが)め、床をジャンプ台にして上へと飛躍(ひやく)した。

エネルギーの溜まった右足を前に突き出し、パンチホッパーに目掛けて前蹴りを撃ち込む。

ビシュン!!

「グアァァアア!!」

放たれたキックは、先ほど殴られたパンチホッパーの顔面とほぼ同じ箇所に命中し、またもや後ろへ蹴り飛ばされた。

濡れた地面に横から落下した直後、ホッパーゼクターがベルトから外れ、ジャンプ移動をしながら徐々に遠ざかっていく。

ホッパーゼクターが喪失したことによって体を覆う鎧が分解し、変身が解除された。不意に、カブトの視界の先に見覚えのある少年の姿を確認した。

年齢は15歳くらい。150〜160センチほどの身長を、茶色いシャツと、生地の厚い丈夫な長ズボンで包んでいる。耳を覆うほど長い黒髪が、未だに降り続ける大雨でずぶ濡れとなり、前髪が額に垂れて左の目元が見えにくくなってる。

必死に上体を起こそうとするが、痛みのせいか、なかなか身体を動かすことができない。それでも必死に泥塗れの全身を起こそうと、手足をゆっくりと動かし続ける。前髪の垂れてない右の瞳がカブトをずっと睨んでいた。

「あ、兄貴……ごめん。僕……バトルに……勝ち残れ、なかっ……た」

悔しそうに呟き、右眼から一滴の雫が頬を伝って落ちた。眼に捉え
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