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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アインクラッド
嵐の中の勝敗
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ンチホッパーの2人だった。

「……確かにそうだね。ここで戦いを放棄したら、僕の今までの行為も無駄になっちゃうね」

くっくっと喉声で笑いながら、バッタの戦士は前進を始めた。

同時に、カブトは足幅を広げ、腕を目の前に掲げ、武術の姿勢を整えた。軽そうな足が四歩目を踏み出し、接地する寸前に、カブトは床を蹴った。自分に突進してくるカブトを、パンチホッパーの右拳が照準しながら追随した。

__そこだ!

カブトは、不意に左足を踏み切り、進路を右に振った。パンチホッパーの右拳が打ち出されるが、再び回避した。

弧を描いてパンチホッパーの左側面に回り込む。

「……フッ!!」

今度はカブトが右拳をがら空きの脇腹に叩き込んだ。どぅっ、と強い手応えにより、光悦茶の胴体が揺れる。

向き直ろうと体を回すパンチホッパーの背中を追うように、カブトは更に一歩ダッシュし、右回し蹴りを敵の左脹ら(はぎ)に撃ち込んだ。ぐらり、とまたもや体勢を崩すところに、追い打ちの左膝蹴りを背筋の中央へ撃つ。

ドボオォン!!

重い振動。身体がくの字に折れ曲がる。

よろよろと距離を取ったバッタのライダーが、憎々しげに唸った。

「やるじゃない。でも……そんな軽い技じゃ僕は倒せないよ!!」

ぶん、と振り回された左拳が脇腹に命中した。次いで、勢いのまま体を反転させ、右の(かかと)を首筋に埋め込む。

「グゥゥァアアッ!!」

カブトの声で発せられる潰れた悲鳴に耳を塞ぎ、パンチホッパーは流れ任せにラッシュを続けた。

両足と拳、両手と腕までも駆使して途切れることのないコンボを繰り出し、全体のほとんどから火花が散る。いつしか、自分の口から悲鳴じみた叫びが漏れていた。

「このおぉぉ……死ねぇぇ!!なんで!!なんでお前が、最後まで生き残る!?なんで兄貴が、お前なんかに殺されるんだ!?」

苦し紛れに放たれる前蹴りを踏み台にし、バッタの如く高くジャンプし、カブトのマスクに自分のマスクを思い切り叩き付ける。

びきっ、と破壊音が響き、青い複眼の一部が砕け落ちた。

バランスを崩し、背中から地面に倒れたカブトの胸に馬乗りし、パンチホッパーは更に両手の拳を乱打(らんだ)し続けた。

「お前はいつだって、何もかも理解したような顔して!!その上、僕の大切なものも奪って……!!」

何も考えず、激情のままに叫んだ言葉だった。

しかし、パンチホッパーの声が響いた途端、ひび割れた複眼の下で、中の少年の両眼がゾッとするほど強い冷光を放った。

「調子に……」

突然、グイッとカブトの両腕が自分を守るように交差された。次いで、右手をグッと握り締め、

「調子に乗るなあぁ!!」

右拳をパンチホッパーの顔面に目
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