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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アインクラッド
嵐の中の勝敗
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駆使し、どおうっ!という爆発染みた衝撃音と共に、銀の翅が暗闇を切り裂き、一瞬の内にカブトの全身は一直線に空へと飛び上がった。
「何!?」
突き当たる直後に飛び上がった赤き戦士を、パンチホッパーは下から眺めるだけだった。
放たれた矢の
如
(
ごと
)
く空へ飛び立ったカブトは、倉庫を覆う壊れかけの金属屋根を突き破り、ガシャン!!という衝撃音を響かせた。たちまち、目の前に雨の渦巻く
雷雲
(
らいうん
)
が迫った直後、カブトは飛翔を緩めた。甲高い振動音がピッチを落とし、飛行機が離陸を終えた時のような浮遊感が訪れる。
緩やかにホバリングしながら、廃工場の屋根とその周囲を見渡した。
すると、先ほどまで自分とパンチホッパーが戦っていた倉庫から少し離れた位置に、屋根もなく建物に囲まれた広場が見つけた。不意に、カブトはその広場へと向かって急速に降下し始め、地面に降り立った。背中に展開していたアーマーを閉じ、翅を収納した。
ザーザー!!と降る大雨に
曝
(
さら
)
され、全身があっという間に水浸しになる中、もう一度広場の周囲を眺めた。
錆
(
さ
)
びた鉄パイプに柱、鉄板にワイヤー、《安全第一》と書かれた看板などが放置されていた。ゴミ捨て場か、あるいは余り物置き場と言ったところだろう。
当然だが、人っ子一人としてこの場所にはいない。まさに無人そのもの。
最初に戦い始めた際、人がいるかどうか確認を取らなかったが、あれだけ激しい戦いをした上に、空から工場を眺めて誰も見つけられなかったのだから、この廃工場が無人であることをちゃんと確認できた。その行為が他人を傷つけたくないという思いか、自分の姿を見られたくないという理念から来たものかどうかはわからないが。
ガシャ!
突然、金属を踏むような足音が耳に届いた。
「……来たか」
それが誰の足音なのかは、考える間もなく理解できた。
広大な放置場を10メートルほど移動してから後ろに向き直った。カブトの視線の先で、徐々に迫ってくる足音を鳴らす主体が、建物の陰からゆっくりと姿を表した。
足を地面に擦るようにして、パンチホッパーが広場へ足を踏み出す。
「……あのまま飛んで逃げると思ったけど、よく逃げなかったね。褒めてあげるよ」
おとなしく静かな声だが、その喉奥には、深い
貪欲
(
どんよく
)
が紛れ込んでいた。
「逃げるつもりなんかねぇよ」
感情を押し殺したように、
咽喉
(
いんこう
)
の奥から放たれる低い声が続ける。
「残ったライダーは……俺とお前の2人だけだ。ここで俺達が決着をつけなければ……全てが無駄になる」
それは事実だった。
カブトを含めた7人のライダー達は互いに争い、奪い合い、殺し合い、多くの血を流し続け、とうとう最後まで生き残ったのが、カブトとパ
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