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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十五話 過去の思い出
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ての態度に訝しみながら家の中に入っていく全。
「あれ?全さん?」
「君は……」
と、家に入った所で全はリインフォースUと出会う。
「ちょうどよかったわ。リインも一緒に来てや」
「??? はいです」
なぜかリインも同行する事になりますます訳がわからなくなる全。
そしてはやてはある部屋の前で立ち止まる。
そこは全もよく知る場所。はやての父親である智樹の書斎だった。
「ここや」
「ここは?」
全は知っているが、知らない振りをする。
ここで知っていると言った所でどうにもならないし、ましてやはやては記憶を取り戻していない。
現段階では何も言うべきではないと判断した故の言葉だ。
「お父さんの書斎……」
はやてはそれだけ言うと、部屋へと入っていく。
全とリインも一緒になって入る。はやては迷うことなく机の上に置いてある一冊の本を取り出す。
そこには『はやての成長日記』と書かれていた。几帳面な智樹さんと日和さんらしいなと全は思う。
恐らく誰も入ってこれないここにそんな大事な思い出を置いておいたんだろうと想像する全。
「問題は……これや」
「問題ってな…………に…………………」
はやてはその中から写真を取り出し、それを全に突きつける。
それを見た全は驚く。そこには幼い頃の全とはやて、そしてそんな二人と同じ背丈の銀髪の少女が笑顔でいるからだ。
「これ、どういう事なん?この写真の裏には全君とリインちゃんがって書かれとる。銀髪の女の子の方が……信じられんけど、リインフォースや。でも、こっち。この男の子の方……これ、橘君やろ?」
「そ、それは……」
「は、はやてちゃん……」
全とリインは言葉に詰まらせる。真実を言う事が出来ないからだ。
ここでなぜリインが全の事を知っているのかという事を説明しておこう。彼女の前身であるリインフォースは全との思い出を残そうと考えていた。
そこである賭けに出たのだ。それは自身のデータベースに記録として思い出を記録させておく事。
ある種の賭けだったのだが、リインフォースはその賭けに勝った。
その記録はリインフォースUにも受け継がれており、それによってリインフォースUは全の事を知っているのだ。
そして、全とリインは何も言えないまま数秒が過ぎ、さらにはやてが詰め寄ろうとすると
『そこまでにしてください、主はやて』
部屋内に、そんな声が鳴り響いた。
その声にはやて、全、リインフォースUは固まる。
なぜならば、その声は彼らにとって大事な人の声だったからだ。
「リイン……フォース……なん?」
「リインフォース、なのか?」
「お姉さま、なのですか?
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