36話 暴走 3.10
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く撃沈していく多くの友軍。全てはラルに付いてきた戦友たちであった。
その中でも古参の1人のアコーズから連絡が入った。既にアコーズの艦はブリッジがボロボロだった。
アコーズは頭から血を流しながらもラルに敬礼していた。
「・・・司令。今生の別れとなります。我が部隊が散開して道を創ります・・・」
通常時ならば「バカを申せ!」と怒鳴りつけるところだがラルはこの事態に言葉がでなかった。誰かがそうせねばこの集中砲火から逃れられない。
囮の部隊が砲火の的となり爆破四散している間はビームを通すことはない。輝く火の粉がビームを透過させないためだった。
通信は一方的に切られて、ラルはうなだれていた。
* ハマーン隊
集中砲火で狙われたのは艦隊だった為、自身の部隊の空域内は通常戦闘で特別危機的ではなかった。
しかしながら、艦隊の包囲集中砲火を部下から聞いた時には青ざめた。
「・・・あのジジイ・・・最初からこれを知って狙っていたのか」
ラルの率いる艦隊が囮でモビルスーツ隊でドゴス・ギアを撃沈させることをハマーンは今気付かれされた。傍にいたギラドーガを駆るマシュマー・セロがハマーンへ指示を仰ぐ。
「どういたしますか?」
「知れたこと。あのデカブツを沈める。いくぞ!」
そうハマーンが言い放つとキュベレイを先頭に部隊は目前のドゴス・ギアへ向かって行った。
ドゴス・ギアに付くや否やギラドーガらの一点集中砲火で装甲に穴を開けようとハマーンは命じた。
その砲撃はドゴス・ギアの主砲によって一撃で四散し、且つ何機かのギラドーガが爆砕した。
その衝撃でキュベレイが軽く吹き飛ぶ。
「ぐっ・・・なんて火力・・・」
あんな装甲と火力にファンネルが通用する訳が無いと悟ったハマーンは接近戦で薄皮を剥がすようにサーベルで切り刻んでいた。ギラドーガらも持てる火力でサーベルやグレネードなど用いては装甲に穴を開けようと試みた。しかしながらこの戦艦の砲門の数が並ではなく対空砲火により次々とギラドーガは撃ち落とされていった。その光景を見てハマーンは唇を噛みしめていた。
「化け物め・・・」
ハマーンは危険を承知でブリッジを狙おうとした。そこに今回の戦闘の元凶がいる。その姿をハマーンは対空砲火を掻い潜り、モニターに収めた。
「バスク・・・それにジャミトフ!」
ハマーンは手持ちのファンネルでブリッジを狙った。その戦慄にドゴス・ギアのクルーが震えた。バスクとジャミトフを除いて。ブリッジでジャミトフが軽く嘲笑った。
「フッフッフ・・・まあよくやった方ではないかな」
バスクも頷き同意した。
「そうですな」
その光景にハマーンは悪寒を感じ、さらに危機を感じた。ブリッジの傍に対空砲が備えら
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