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逆襲のアムロ
36話 暴走 3.10
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事態の知らせにより座席の肘掛を指で繰り返し叩いていた。それはジャミトフの秘書官からもたらされた秘匿通信によるダカールからの知らせの為だった。

「・・・バスクよ」

「はっ」

バスクはジャミトフが口を開いた事に焦っていた。不意を突かれた大体失敗の状況において、この上官が発する言葉は大抵叱責だった。しかし思いもよらぬ事をジャミトフは口にした。

「地上から悪い知らせだ。コリニー議員がダカールの戦闘で亡くなられた」

「は?」

バスクは一瞬よろめいたがすぐさま態勢を立て直した。ジャミトフは追加補足した。

「そして我々の支持する政治的な派閥らも一緒に戦闘で無くなったそうだ。更に良くないことにエゥーゴ派閥は生き残った。意味することはわかるか?」

バスクはティターンズの存在意義が失われたことを今知ってしまった。
この組織ティターンズは政治体制で生かされているものだった。それを知った正規軍など誰もティターンズの指示なんか聞かないだろう。

「つまり短期決戦ですな」

ジャミトフは首を横に振った。

「違う。捲土重来だ。全員に戦闘停止を命じろ」

「は?」

バスクはジャミトフの指示に戸惑いを覚えた。ジャミトフはそんな部下を叱責した。

「バカか。元は連邦同士の戦いだ。誰も望んでおらん。生きて尚勢力を温存するのだ。いきなり我々を何か罰し処分するにはエゥーゴだろうが連邦だろうができやしない。民主国家だからな。しかし体裁は必要だ。イーブンで終わらせることが重要だ」

「成程。早速皆に伝達します」

バスクは振り向きオペレーターたちへ伝達した。その姿を見てジャミトフは額に手を付けていた。

「(今できることはアースノイド主義の維持だ。このままどのみち不都合な情報はとどまる事知れず蔓延していくものだ。いずれは戦闘にならなくなる。その前の布石を打たねばならぬ)」

するとバスクが狼狽えている姿をジャミトフが目撃した。ジャミトフは遠くながらもバスクを呼び掛けた。

「どうしたのだバスク」

「あ、閣下。敵の別動隊の攻撃によりミノフスキー粒子が濃すぎて通信が不可能です。その部隊を駆逐せねばなりませんがその部隊が・・・」

「奴らが何なのだ」

「奴らが目前に迫っております!」

ジャミトフは唸った。降伏の意思を見せれば彼らは戦闘を止めるだろうが、今後の動向としては戦闘の停止を両軍に呼びかけることが組織維持について大事なことだった。敗軍でないことがジャミトフの中の条件だった。こうも戦闘になった状態、核も使用した状態で敗軍に堕ちることは組織としての求心力が失われる。

「バスクよ。本隊の防衛線で何とかならんのか?」

「U字編隊で半包囲網を形成しつつありますが、それ以上の敵の進軍速
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