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逆襲のアムロ
36話 暴走 3.10
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の装甲ではこの余波は全て受けきれないだろうと思い、後部ハッチを開けてクシャトリアを収容した。

* ダカール防衛隊司令部

ウッダーらも核の光を確認できていた。そしてそこにティターンズの防衛部隊の9割方を向かわせていたことも知っていた。自身が命じた指令だったことも。

「・・・状況は・・・」

ウッダーは小刻みに体を震わせて、オペレーターへ確認した。その報告は余りに無惨だった。

「部隊のほとんどが消滅しました。ブルターク部隊長の信号も途絶しております。恐らくは爆心地に・・・」

ウッダーは席に倒れ掛かるように座り、目標について確認した。

「で、敵は?」

「依然、健在でこのダカールへ向かってきております」

「そうか・・・」

ウッダーは憔悴しきっていた。頭の中である予測が出来上がっていた。あの巨体にはまだ核があるとして、このダカールへ落とすつもりだ。守備隊もほぼ壊滅し麾下の戦力で敵を抑えることができない。できることは・・・

ウッダーは最期の仕事をすることに決めた。オペレーターへ指令を出した。

「全軍、ダカールを放棄する。全ての輸送車両はダカールより人員を乗せて四散し、各基地へ撤収すること。これが最期の命令だ」

オペレーターとそこにいたスタッフが皆驚いてウッダーを見た。ウッダーは視線が集まった事に軽く嘲笑した。

「聞こえなかったか?これが上官としての最期の命令だ。皆逃げろ!」

そう言い切るとウッダーは胸よりブラスターを抜き、こめかみに当てて銃を放った。
ウッダーはその席で自決を遂げた。その意思に全スタッフが最敬礼をし、皆撤収へ向けて動き出した。
軍としての統率、指揮系統を失われた為、司令官より下の下士官達が敵前逃亡と見られず退却できる大義名分を得れた。

その情報はアムロら、ラー・アイムの者達もオープンチャンネルから即座に受信できていた。
アムロはしてやられたと悔しい表情をし、カミーユは冷静に状況を分析し、他3人はその光景に唖然としていた。

カミーユはラー・アイムへ無線連絡をしていた。

「ラー・アイム!聞こえていますか!戦況は終局面です。ゲリラは既に敗走し後は・・・」

通信を受けたラー・アイムはシモン経由でシナプスへ伝わった。既に戦闘ブリッジへ移行しているクルーは皆ノーマルスーツを着用していた為、スーツに通信用マイク・イヤホンが内蔵されていた。シナプスはそれを用いカミーユと通話した。

「カミーユ、こちらは後方からの謎のモビルスーツを引き連れてそこへ向かっている。お前の言は正しい。後はお前らの空域でダカールの戦闘は終わる。核の爆発は確認済みだ。幸い、人の住めない砂漠のど真ん中での爆発が住民への被害は皆無だ。お前らにその謎のモビルスーツの映像を送る」


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