22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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止に鬼一は押し黙る。このプライベートチャンネルを聞いている全員、一夏以外の3人は理解していた。
零落白夜を使う一夏に、最悪人殺しをさせる可能性があることを。
『……分かっていますよ。僕から言うことはそれだけです。身体を張っているのは一夏さんですから、決断はお任せします。使って最終的に問題になるということなら僕に被せてくださって一向に構いません。指示は月夜 鬼一がした、ってね』
『……鬼一さん! ―――っ』
そこで鬼一は通信を切った。鬼一が通信を切り、それを知ったセシリアの言葉は吐き出されずに仕舞われる。
『どういうこと、だ?』
『……一夏、以前少しだけ話したわよね? 零落白夜を使うということは―――』
理解の遅れている一夏に鈴が鬼一の説明を引き継ぐ。
『人が死ぬ、可能性があるって話』
『―――っ!?』
『……確かにあのISは未知数でとんでも火力なのは間違いないわ。継戦能力もどれほどのものかわからないし私たちも消耗している以上、リスクはあるけど鬼一の言う通り零落白夜を使った短期決戦に持ち込んだ方が被害が少なくなる可能性はある。今回に限って数的優位も活かせるし』
零落白夜のリスクよりもメリットの方が大きいと感じているのは鈴も一緒だが、鈴も鬼一と同様その考えを押し付けることはしなかった。
『でもね一夏? これは紛れもない実戦で犠牲の出る可能性のある『戦い』なのは間違いないわ』
ここからは勝負ではなく犠牲の出る戦い。
『相手や私たちだけで済むのか、それとも後ろにみんなもなのか、それとももっと多くの犠牲が出るのか、もしくは誰も犠牲にならない可能性がある。そしてその犠牲を作るのは自分……それを忘れないで』
『……っ』
『お二人共、来ますわよっ!』
―――――――――
「通しなさいよ!」
「なんで扉が開かないの!?」
「早く行きなさいよ、後ろだっているのよ!」
―――落ち着け、慌てるな。深く呼吸しろ。
本来なら自分だって叫び出して好き勝手に喚きたい。だがそれを許されない立場にある。今はあの2人に任せるしかないというのは鬼一にとって歯痒かった。身体張っているほうがまだ気持ち的には楽だった。
「早く出してよ! 邪魔よ」
早くなっていく鼓動を押し殺し感情を沈静化させる。今、自分が爆発して何になると言うのか。
だが自分1人が冷静になったところでどうしようもない。集団の感情をコントロールする術など鬼一は知らないのだ。集団でパニック状態になったらどうなるのか。
―――……こういう時、セシリア・オルコットや更識 楯無ならどうしただろうか?
扉のロックが解除されない以上、いくら専用機があったとしてもどうしようも
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