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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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だろう。

 走りながら視界の片隅でアリーナ中央の様子を見る。一夏と鈴は空中で制止しながらアリーナ中央を注意深く観察していた。その様子から避難する気は無いと鬼一は感じる。

 ―――……なんだ、アレは。『全身装甲』のIS、か。

 瞬間、一夏と鈴がいる空間を一筋の光線が切り裂いた。

 ―――エネルギー兵器……!? ブルーティアーズの出力も上回っている。

 視界の片隅に映っているデータ、ハイパーセンサーと接続したおかげで今の射撃のエネルギー量の凄まじさを理解させられた。少なくとも競技用ISの出力ではなかった。

 ―――全身装甲、型落ちのISか……? いや、あれだけの火力を持っていてそれは考えにくい。最新ISで全身装甲……しかも肌の露出が一切ないほどの徹底ぶり。聞いたことも見たこともない。

『―――いや、先生たちが来るまでは俺が食い止めます。鈴、お前は避難してくれ』

『何言ってんのよあんた!?』

 一夏の言うことは理解出来る。

 あれだけの火力を観客席に向けられたら成す術もなく、観客席にいる女生徒たちは死ぬだろう。それを防ぐためには一刻も早く女生徒たちの避難を完了させなければならない。そして避難するための時間を稼ぎ、全身装甲のISの注意を惹きつける必要がある。

 だが、一夏のそれは蛮行でしかない。

『……いや、鈴さんと2人体制で時間稼いだほうがいいです』

『鬼一!』

 一夏の怒鳴り声が聞こえたが無視する。今そんなことに構っている時間はない。

『山田先生、IS部隊が到着するまでどれだけの時間がかかりますか?』

『……』

 そこで真耶の声が途切れた。どうやら時間の計算を行っているようだ。もしかしたら生徒たちに時間稼ぎをさせることに何か思うことがあったのかもしれない。

『織斑、鳳、月夜、オルコット、聞こえるか?』

『千冬姉!?』

 千冬の声に驚きを隠せなかった一夏。いつもだったら一夏に注意する千冬だが、そんな時間ももったいないのか直様本題に入る。

『4人とも冷静に聞け。現在、アリーナの遮断シールドの設定がレベル4に設定されている。そしてアリーナに通じる扉がロック、制御が出来ない状況だ』

 ―――……!?

 4人の内心が驚愕で満ちる。それがどれだけ危険な状況か理解したからだ。声に出そうになったが歯を食いしばって黙った。特に鬼一とセシリアはその驚きを出すわけにはいかない。出せばその驚きが周りに伝播してしまう。この事実が表面化すれば今以上の混乱が起きることは予想に容易い。

『俺とセシリアさんの火力であの扉を破壊することは可能ですか?』

『無理だ。単純な強度なら遮断シールドと同じレベルだ。破壊するなら専用の装備がいる』

 専用機
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