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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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況ではないということだ。

 女生徒たちの悲鳴が痛いほど鼓膜と全身を叩く中、鬼一はプレイべートチャンネルを開く。対象者は一夏と鈴。今、あの2人がアリーナ中央に一番近い。そして先生方がいる管制塔にも繋げる。

『一夏さん、鈴さん! 試合は中止です! 急いでビットに避難してください! 織斑先生、山田先生、生徒たちの避難の準備を!』

 伝えるべきことは伝えて席から立ち上がって観客席の階段を駆け下りる。逆サイドの観客席に向かうために。ここにセシリアがいるなら、一緒にいる理由はないと鬼一は考えた。

 格納している鬼神が反応している。そのことが鬼一の不安を駆り立てた。同時に状況が自分が考えているよりも厄介だということを悟る。遮断シールドを抜いてきたということは観客席のシールドも抜かれる可能性があることだ。

 そもそも、IS学園の遮断シールドは観客席にいる人間の安全を保証するために備え付けられているものだ。その強度は折り紙つきで軍用ISの出力でも抜くことは出来ない。だが、現実に抜かれているということは相応の破壊力を持っているということに他ならない。

 そんなものが観客席に向けられたらどうなるか、そのことを考えて鬼一は迷っていられない。被害を押さえるために行動を続行する。こういう時のために専用機持ちがいるのだと鬼一は自分を激励した。

 ―――ハイパーセンサーに反応……!? 国籍不明のIS!? どこの馬鹿だよ、こんなことをしているのは!?

「……セシリアさん、みんなの避難の誘導をお願いします! 僕は逆方向の生徒たちの誘導をします!」

「分かりましたわ!」

 セシリアも立ち上がった後の行動は早かった。周りの生徒に落ち着くように呼びかけ今の混乱を落ち着かせようとする。

 悲鳴の中を駆け抜けながら鬼一は管制塔からの連絡を受ける。どうやらアリーナの2人と観客席にいる鬼一とセシリアを対象にしているようだった。

『織斑くん! 鳳さん! 今すぐアリーナからピットへ避難してください! 教師陣のIS部隊がすぐに向かいます! 月夜くんとオルコットさんは生徒の誘導をお願いします!』

 真耶の声はいつもと違い切羽詰まった声。だがそこに恐怖や焦りはない。生徒たちに恐怖や焦燥感を与えないためだ。

 その通信を聞きながらも鬼一は足を止めない。最前席まで来たらそのまま反対方向の観客席に向かうために迂回する。迂回している途中も混乱する生徒たちに声をかける。

「慌てないで! 落ち着いてイギリス代表候補生のセシリア・オルコットの誘導に従ってください!」

 普段は間違っても出さない大声を張り上げながら指先でセシリアの方向へ向ける。セシリアなら任せても大丈夫という安心感があるからか、少なく単純な言葉で指示するだけで動いてくれる
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