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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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 今は緊張感があるからいいが、何かがきっかけで一気に疲労が噴出する可能性がある。そうすれば意識はあっても身体がついてこなくなってしまう。そうなればもう戦うことは出来ない。

 正直な所私自身、自分がどれだけ消耗しているのか正確に測りかねている。今はまだ大丈夫だろうが呼吸が少しずつ浅く、早くなってきている。この状況に参っているわけではないが、少しずつ追い込まれていく感じはある。

 でも、ここで私が潰れるわけには行かない。私が潰れてしまえば一夏はどうしようもない。一夏の実力もそうだが、それ以上に何をしていいのか一夏は分からなくなってしまう恐れがある。

 今はまだ私が指示を出せているから一夏は集中できているし動けている。でも私が戦闘不能の状態になってしまえば、一夏が単独であのISを食い止めることになる。

 いくらなんでもそれは出来ない。今の一夏では役不足もいいところ。

 突入まではまだまだ時間があり気が遠くなりそうだが、耐えられるかどうかではなく絶対に耐えなければならない。

「……一夏、1度仕切り直しよ!」

 私の声に一夏は頷いてこの戦場にある空白のスペースに後退。一夏の体力はあとどれだけ残っているのか? 一夏の体力の消耗を極力避けながら私は自分の消耗も押さえなければならない。

 敵ISはここまで守備的だからいいが、もし本気で攻め込んでくるようならこちらも腹を括ることになる。いや、敵は必ずどこかで仕掛けてくる。向こうだって援軍が来ることは充分に予想している。その時までに体力とISのシールドエネルギーはキチンと残しておかないといけない。

「くらいなさい!」

 一夏が下がると同じタイミングで私は衝撃砲をぶつける。これで決めようと気持ちはさらさらなく、あくまでも一夏の後退を援護するだけの威嚇射撃と言ってもいい。

 敵ISは私の衝撃砲の見えない弾丸を『叩き落とす』怪物なのだ。こんな芸当は本国の国家代表でも出来ない。これほどの技術を持っている相手が本気で攻めてきたら、どれだけタフな潰し合いになるのか考えたくもない。

 でも、なんで守備はここまで神がかっているのに攻撃はここまで手抜きなの? こちらからの攻撃を凌いでからの反撃は分かるんだけど、その方法があまりにも理解に苦しむ。ただ手を振り回しながら射撃をしてくるだけだ。

 攻めてくる気がないにしてもあまりにも消極的すぎる。

「鈴っ! そっちのエネルギーはどこまで残っている?」

 一夏の声に左目の片隅に映っているエネルギーの残量を確認。

「……今、半分を切ったところよ。残り293、アレに龍砲を撃ちすぎて消耗が激しいけど、このままの展開が続くなら残り時間を稼ぐくらいのことは出来るわ。そっちは?」

「雪片も零落白夜も使っていないか
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