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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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 一夏が打鉄のデフォルト装備である近接刀『葵』を構えて所属不明のISに斬りかかっていく。その構えや距離を詰めていく姿は決して上等なものじゃない。初心者に毛が生えた程度のもの。必然的に避けられてしまう。

 このISと戦闘開始してから2分。通常のIS戦なら相手の『基準』というものが見えてくるもの、実際に『基準』というものが分かってきたのだがどうもちぐはぐだ。

 私たちの連携を交えた攻撃が捌かれてしまうのは別に良い。例えば相手が国家代表クラスならそれくらいのことは苦もなくやってのける。現に私もすでに山田先生から体験させられている。

 正直言ってこの状況に神経がドンドン削られている。認めたくはないけどさ。

 一夏との勝負から突然の実戦というのもあるけど、あまりにも特殊な状況に参ってきている。

 一夏の引率とそのフォローだけでも私にとってはかなり大きな負担。とはいえ、それは分かっていることだから肉体面での負担が大きくなるだけだから精神的にはそこまでじゃない。

 自分達が負けたら後ろにいる人たちが一気に犠牲になる。もっと言えば大虐殺が待っていると言ってもいい。

 鬼一やセシリアの実力を疑っているわけじゃない。あの二人なら私たちが抜かれても突入部隊が来るまでの時間は稼げるかもしれない。だけど、ISを持っていない他の生徒はそうじゃない。

 あの2人が守りながら戦うかもしれないが、あの2人は基本的に足を止めた防衛戦などは不向きだ。どちらも足が早く、攻撃力の高さが本質と言ってもいい。守りながらとなるとあの2人の力は激減する。それにセシリアのブルティアーズじゃ火力が足りなさすぎる。

 だからこそ、ここで私が一夏を守りながらこのISを食い止めないといけない。

「―――このっ!」

「一夏、無理しないで!」

 激昴しかけた一夏を諌める。一夏は実戦というのを初めて経験しているからか、先ほどから動きが浮ついているように感じてしまう。私だって実戦は初めてだが心構えが出来ている分、冷静に自分と周りの状態を確認できる。

 一夏を下がらせながら私が前線に出る。一夏の負担を減らすために衝撃砲で支援。あくまでこの戦場は時間を稼ぐことに終始した方がいい。相手の技量がズバ抜けている、そしてISのスペックも明らかに甲龍と白式を上回っている。

 敗北を認めたわけじゃないがその差を受け入れている分、感情を落ち着かせることが出来る。必要以上に焦ることもない。

 龍砲で敵ISの足を食い止めながら一夏の状態を確認。白式は損害を受けているわけではなさそうだが、一夏の顔色が優れない。

 ―――ある意味で当然よね。強気に攻めているのにその攻撃はまだ状況を変えることが出来ていないから。

 一夏は今頃自分の無力さを痛感して
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