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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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、この鬼一に触れたんだ?

『警戒しながらこっちの話を聞いてください。とりあえず結論から入りますがあのISには人が乗っていません』

 鬼一は俺たちの声など知ったことではないと言わんばかりに無視して、自分の話を始める。

 そして、その鬼一の話は俺にとってありがたい話だった。自分の仮説を強くする内容の話。鬼一が言うならこの仮説は説得力が増してくる。

『……やっぱり』

『あんたまで何を言っているの!?』

 鈴はやはりこの仮説に否定的だ。でも、どうしてそこまで鈴は否定的なのかがよく分からない。

 相手が無人機で零落白夜を使うことに問題がないのであれば、そこまで否定的である必要はないのに。

『じゃなきゃ辻褄が合わないことが多すぎます。鈴さんの衝撃砲による不可視の弾丸の対応、一夏さんの死角外からの攻撃に対する回避、お二人による挟み撃ちへの対処、守備は完璧すぎるほどに完璧なのに、あれほど強力な武装を幼稚すぎる扱い、そして―――』

 鬼一は俺が気づいたこと以上に別の角度からも意見を話してくる。言われてみれば確かにそうだ。

『俺たちがこうやって喋っているにも関わらずあのISは動かない。2人を追い詰めるチャンスを、そして観客席まで突破するこの貴重なチャンスを見逃してまで動かないというのは明らかにおかしい』

 俺1人だけだったら弱いかもしれないが、鬼一も俺の仮説を援護してくれる。

『……でも、無人機なんていくらなんでも有り得ない。ISは人が乗らないと起動しないはず……』

『鈴さんがどんな根拠を持って言っているのかは知りませんが、俺から言わせてもらえれば、ISは今も不明なことが多いんですよね? 正直、無人で運用する方法があっても不思議ではないと思いますが。俺らが知らないだけで』

『……っ』

 鬼一の説明に鈴がついに押し黙る。

『人が乗っていないのならば犠牲は出ない。一夏さんが零落白夜を1回当てるだけで全て終わる。一夏さん、守ることが出来ますよ』

『……鬼一っ!』

 そう、鬼一の言う通りだ。人が乗っていないのであれば零落白夜を1回当てるだけで全部終わる。俺は守ることが出来るんだ。

『人が乗っていないなら容赦なく全力で攻撃しても誰も犠牲になりません』

『……あぁ、分かっているよ鬼一』

『一夏っ!?』

 鈴の悲しげな、悲鳴のような声に心が少しだけ痛かった。だけど迷う必要はもうない。

『鈴、零落白夜は確かに誰かを殺すかもしれないほどの力があるかもしれない。だけど相手は無人機なんだ。鬼一の言う通り零落白夜で一気に決着をつける方が正着じゃないか』

『……っ』

『鈴、俺に考えがある』

 俺は零落白夜を使って、守る。

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