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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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「……だったら……」

 リスクが上がる前に決着をつけるのが正解なんじゃないのか?

 千冬姉の雪片、そして零落白夜。

 1回切るだけで全ての問題を終わらせることができる。エネルギーも余裕がある。鈴と2人でなら勝算もあるはずだ。

 ―――零落白夜は人を殺す可能性がある―――

 その可能性に胸に重りがついたように身体が重くなった気がした。吐き出される息が心なし冷たく感じる。

「……だけど、このISは本当に人が乗っているのか……?」

 さっきからどうも引っかかる。どうしてこの正体不明のISはなんで同じ行動しか繰り返さないんだ? 

 そりゃこっちの行動に合わせて内容は細かく変わる。だけど守備から反撃を繰り返しているだけで、反撃に至ってはまったくと言っていいほど同じ。対策されるリスクを考えればまったく同じ行動を取る必要性はないはず……。

「なぁ、鈴?」

「……何よ一夏?」

 警戒していた鈴は俺の呼びかけに顔をしかめるが、俺の声に何かを感じたのか応えてくれた。

「少し俺の話を聞いてくれ。もし、この仮説が本気なら今とこれからのリスクを抑えられるはずだ」

 鈴の視線は正体不明のISに備えたまま無言で俺に続きを促した。

「あのIS―――機械みたいじゃないか?」

「……何言っているのよ。ISは機械じゃない」

「違う。あれは―――本当に人が乗っているのか?」

 俺のその言葉に苛立ちを隠せない鈴は否定の言葉を吐き出す。

「―――は? なに寝ぼけたこと言っているのよ。人が乗らなきゃISは動かない―――」

「でも鈴、おかしくないか? 俺たちがこうやって話しているのになんであいつは仕掛けてこないんだよ。本来なら決定的なチャンスじゃないか」

「……」

 鈴の言葉を遮って疑問をぶつける。俺と同じ疑問を持っていたのか鈴は続きを話せなくなった。

 鈴は険しい表情をしていたが、1度だけ深呼吸する。それは自分の中にある感情を打ち消すように、もしくは落ち着かせるように、上手くは言えないが何かを押さえているようにも感じた。

 険しさの残る表情と緊張感の宿った声で鈴は言葉を絞り出すように話し始めた。

「……確かにそうね。でも無人機なんていくらなんでも考えられないわ。それを考えた研究者はどれだけいて、全員が諦めているのよ」

「ISを『無人』で動かせることが分かったら鈴は誰かに言おうとするか?」

 俺だったら言うかもしれない。その技術を他に活かせるかもしれないから。だけどそうは考えない人間だっているかもしれない。もしかしたらその技術を何かに悪用することだって考えられる。

「勿論そんなの……あんたの言いたいことは分かったわ。仮にあれが無人で動いているとし
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