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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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。残り293、アレに龍砲を撃ちすぎて消耗が激しいけど、このままの展開が続くなら残り時間を稼ぐくらいのことは出来るわ。そっちは?」

「雪片も零落白夜も使っていないからかなり残ってる。残り287だ」

 ほぼ同じくらいのエネルギーが残っているのか。鈴との勝負はそれなりに長い時間を戦っていたはずなのに、まだ半分も残っている。やっぱり雪片や零落白夜の消耗は半端じゃない。

「……のこり時間は7分。アレがこの状態を容認するなら充分おつりが来るわよ」

「あと7分、か」

 あれだけ長く戦っているのにまだ折り返し地点にすら来ていないのか。

「……鈴、あのISがこのままでいると思うか?」

 いくらなんでもそこまで楽観視出来ない。理由は知らないけど、向こうだってIS学園のことを知らないわけじゃない。それなら学園のIS部隊が突入するまでに決着をつけようとするはずだ。

 IS学園のアリーナの遮断シールドを抜くだけの破壊力、高火力の射撃武装、俺じゃどれくらいのものか分からないほどの圧巻の守備力。俺たちを倒そうと思えば不可能じゃないはず。鈴だってそれは理解しているはずだ。

 でも、なんであれだけの守りを展開出来るくせに攻撃はあんな幼稚なんだ?

「……それはないわね。それじゃIS学園の部隊に敗れるために来た哀れなピエロよ。アレの能力を考えれば私たちを無視しようと思えば出来る……」

 そこまで喋って鈴は頭を横に振る。

「余計なことを考える必要はないわ。私たちの役目は時間稼ぎ。私たちの火力と疲弊している身体じゃアレを機能停止に追い詰めるのは、いくらなんでも現実的じゃないわ」

 ―――本当に時間稼ぎだけでいいのか?

 鈴の言っていることは正しい。俺もそう思う。だけどそれだけじゃダメなような気がする。この状況はあくまでも敵のISの気分次第なんだ。時間が経てば経つほど何をしてくるか……。

 例えば……俺たちがもっと消耗してから、今よりもリスクを落としてから俺たちを料理する。そのあとでシールドを破壊することだって考えられるはず。俺と鈴が負ければ―――。

「……負けたら、どうなる?」

 絶対防御、生命維持装置があると言っても危険はある。俺と鬼一との試合、俺は保健室での休憩くらいで済んだけど、鬼一はあの時専用の治療室にまで入ることになった。鬼一は平然としていたけど、身体の怪我や何らかの後遺症が残る可能性があったらしい。

 つまりISは決して安全なものなんかじゃない。どれだけ万全を尽くしても危険は残る。

 それならこの実戦はどうなる? 安全は保証されていない、それどころか自分以外の安全もそうだし自分の安全だってどうか分からない……。本当に10分でIS部隊が突入出来る保証なんてどこにもない。


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