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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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が起きたのか理解出来なかった。ただ理解出来たのは俺と鈴がそれぞれ弾き飛ばされたということだけ。

「……なんて滅茶苦茶なのよコイツ……!」

「……っ」

 鈴の悔しそうな、怒りの声。俺はあまりの衝撃に声を出すことも忘れていた。

 信じられないけど、目の前のコイツは俺と鈴の武器が触れたと同時にその場で高速の一回転。無理矢理俺と鈴を引き剥がしたのだ。

 ―――……鬼神のリミッター解除した鬼火と同じくらいの出力がある、いやもっとあるんじゃないのかアレ!?

 ぶっ飛ばされた衝撃で頭がクラクラする。そんな状態でもあのISから視線を切るわけには行かない。切ったその瞬間、この均衡は一気に崩れてしまう。俺と鈴が踏み止まっているからギリギリの所で持ちこたえているだけだ。

 ―――……まだなのか? まだ10分立たないのか? 

 学校の休み時間の10分はあんなに短く感じるのに、この10分は果てしなく長く感じる。1分が1時間にも2時間にも感じられた。

 鈴はともかく、俺は身体が限界に近づいていた。鈴との勝負で身体を追い詰めていたのだから当然のこと。

 だからと言ってここで手を抜くわけにはいかない。いや、抜けるはずがない。俺たちが抜かれたら観客席の生徒のみんなが犠牲になるからだ。いくらあの鬼一やセシリアでもあの広さと人数を完璧にフォローすることは出来ない。

 だったらここで俺たちが踏ん張るのがベスト。

「……一夏、1度仕切り直しよ!」

 鈴からの指示に素直に従って後ろのスペースに後退する。随所に入る鈴のフォローのおかげで俺はここまで動けていた。鈴のフォローがなかったらもっと早くに体力が尽きていた。

 しかし、鈴もすげえ。

 鈴は俺のフォローしながらも自分のパフォーマンスを維持している。俺との試合ではあれだけ攻め込んできたのだからかなり体力を消耗しているだろうし、鬼一との試合での疲労も抜けていないのに戦闘を続けていた。

「くらいなさい!」

 俺が下がると同時に鈴は猛然と踏み込み、近距離で衝撃砲を浴びせかけた。だが見えない弾丸は敵の腕によって叩き落とされる。小さく鈴の舌打ちが聞こえた。

 この戦闘が始まってからどれくらいの時間が経ったのかは知らないが、それでもいくつか分かったことがある。

 このISは相手の攻撃を凌いだ後は必ず反撃に転じるのだが、その方法は余りにも無茶苦茶だ。その長い腕を使って乱暴に振り回して距離を詰めてくるのだ。しかも振り回している最中に射撃まで混ざってくるのだから笑えない。狙いは雑だからそこまで回避に気を遣う必要はないが、威力が威力なだけに気を抜くことは出来ない。

「鈴っ! そっちのエネルギーはどこまで残っている?」

「……今、半分を切ったところよ
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