22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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識をひっくり返すことになる。だが1度抱いた疑いは簡単に晴れない。むしろ辻褄が合うことが多い。このギャップに説明がつく。
鬼一は可能性という曖昧なものは極力信じないようにしている。可能性というのは自分にとって都合の良い材料でしかない。それを肯定するということはその可能性が否定された時、大きなダメージになって自分に返ってくることを理解しているからだ。
―――だが、この場に置いては大きな価値がある。少なくとも織斑 一夏という剣を動かす道具に成りうる。
―――でも、それは正解なのか……?
湧き上がる疑問。
自分が身を切る分には何も問題ない。気にすることはない。今までやってきたことをISという分野でもやればいいだけの話だ。
だが今回はそういうわけではない。
究極的なことを言えば、今から鬼一は織斑 一夏に人殺しさせようというのだから。自分が零落白夜という反則手を使えるならば迷いなく行使する。人殺しだろうがそれが最善だと思える。無関係な生徒たちも多数いる以上、そこは迷っていられない。
だが本当に正解なのだろうか? 犠牲を出すことを嫌っている一夏の性格を考えれば零落白夜を使わせることがベストとは思えない。下手すればパフォーマンスの低下にだって繋がる。
織斑 一夏のメンタル的な問題などを考慮すれば、数的優位を活かしたまま時間稼ぎの方が良いのではないだろうか? 時間稼ぎをして教員たちの突入、多分そこには楯無のような精鋭もいるだろう。敗北するなど万の一の可能性もない。
しかし、正体不明のISの出方次第ではそうも言っていられない。もしIS学園の破壊などであれば破壊力を前面に押し立てて遮断シールドを突破し、破壊の限りを尽くすかもしれない。その可能性を考えればリスク覚悟で零落白夜を使用した短期決戦がベストに感じる。
―――……どっちだ。俺はあの2人になんて声をかければいい?
1人の女生徒が沈黙している鬼神を展開している鬼一の姿を見つけた。その女生徒の足取りはふらついており、不安に満ちた表情は青ざめている。明らかに冷静とはかけ離れた姿。
生徒は鬼神を展開した鬼一に近寄り、鬼神にしがみつく。
自分の思考が邪魔された鬼一は足元を見る。そこには1人の女生徒がいた。
そこにいる少女の瞳を見てしまった瞬間、鬼一の心は凍った。不安と恐怖に彩られたその表情と涙ぐんだ瞳に決断を下した。
犠牲が出る前に決着をつける。
それしか、ない。
少女から視線を切って、感情に波が立たないように1度だけ深呼吸。そして通信を開く。
「……一夏さん、鈴さん、聞こえますか?」
『鬼一!?』
『なによ!?』
鬼一からの突然のプライベートチャンネルに2人は応える
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