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22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
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く見えますけど、正直なんであんな状態で試合が成立しているのか不思議です」

 一夏が成長したと言っても勝敗とはまた別の問題。

「身体能力、技術、メンタル、反応、経験、読みを初めとした感性。IS戦で問われる要素は非常に多く、一夏さんは全部劣っています」

 一朝一夕で引っくり返せる差ではない。それは一夏以上に鬼一もセシリアも理解している。実際に戦っている鈴はその差をもっと正確に理解しているだろう。一夏はまだその差がどれだけのものかイメージ出来ていない。

「内容の良い悪いは別問題として、一夏さんみたいに悪手を連発していても試合を維持出来る人なんてどれだけいるんですかね?」

 ―――少なくとも、俺たちには絶対に出来ない。

「!」

 鬼一のその言葉にセシリアが驚きを表す。鬼一が言う通り一夏の対応は褒められたものではない。にも関わらず試合が成立している。それがどれだけ異常なことか理解したからだ。

「この試合、一夏さんが受身になった瞬間、もしくはさせられた瞬間にケリがつきますね」

「え? でも織斑くん攻めないで守りに入っているよ?」

 清香のその感想に鬼一は首を横に振る。

「受身と守りは全くの別物です。受身は自分の意志がなく相手の行動に常に振り回される状態で、守りは個人の主体性を持っています。まあ、あれを守りと言っていいかは正直疑問ですが」

 一夏の基本方針は守備ベースの立ち回りからカウンターを狙う、が主軸になっている。攻められないために常に動き、一定のスペースの確保することで自分が安全に回避できるようにする。白式の機動力は甲龍を上回っているのだからスペースを潰されない限りは捕まることはない。

 本来切り札になるはず見えない弾丸の『龍砲』は鬼一と鈴の戦いで1度、生で見ていることが一夏にとって大きかった。

 ―――……まぁスペースがある、白式の機動力が高いからといって対応できるほど『龍砲』の完成度は決して低くないんだけどな。

「ちなみに皆さん、守備に一番必要な要素って何か分かります?」

 その鬼一からの質問にセシリア以外の3人は首を横に振る。

 鬼一はあくまでも一夏と鈴の試合を見続けたまま淡々と喋る。

「守備は相手の動きを読み取るというところから始まります。人にもよるでしょうけど読み取るためには様々な情報を自身の五感から得たり、もしくは心理的な部分から情報を得ます。そしてその情報を解析し最適解を出して回避なり迎撃を選択することが守備」

 それが所謂読み合いと言われるもの。どのタイミングでどんな攻撃をするのか、それに対して回避をするのか、それとも迎撃をするのか、両者の間で様々な読みが交差する。

「もしくは積み重ねてきた『経験』です。過去、様々なシチュエーション
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