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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#END
DARK BLUE MOON FINAL〜Ring Of Vestage〜
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たシャナが叫ぶ。
「アァ!? 誰がだッ! テメー!!」
「うるさいうるさいうるさい!!
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさァァァァァいッッッッ!!!!」
 香港全土を震撼させる程の勢いで、少女の怒声が轟いた。







【2】

 自分の返答は聞かず言うだけ言った青年と少女が去った後
(何やらケンカしていたようだが別にどうでもいい)
しばし放心していたマージョリーはやがて、
鉛を含んだような躰を引き起こし香港の街路を歩いた。
 ラミーが自分に気を使ってか、まだ封絶が解けていなかったので
眼に付いたブティックで服を物色し、外套代わりの学ランはそこに置いてきた。
 肩にかけたグリモアが異様に重く感じ、運ぶ足も我ながら頼りない。
 どこをどう歩いたのかも解らぬまま、
やがて封絶を抜けていたのか異国の喧噪の中に自分はいた。
「……」
 アレからどれだけ時が経っていたのか、
周囲は夕陽に包まれ彼方の水面も黄金色に輝いている。
 吹き抜ける海風が、解けた髪を静かに揺らした。
「に、してもよ。まさかあのクソヤローの正体が “螺旋の風琴” だったとはよ。
アノ “頂の座” と双璧を成す紅世至宝の “自在師” とか云われてたが、
ここ数百年ばかり噂聞かねーからとっくの昔にくたばったのかと想ってたぜ」
 今の心中が解っているのか、わざと軽快な口調でマルコシアスが言う。
「何にしてもそうだと解ってりゃあコッチも油断はしねー。
“次” はもっと念入りに歓待してヤるとしようぜ。
なァ? 我が反逆の麗女、マージョリー・ドー」
「そう、ね……」
 でも、口から出たのは自分でも驚くほど弱々しい言葉。
 今までなら、強敵相手に戦略上撤退を余儀なくされた時も、
その心中は狂暴な復讐心で燃え盛った。
 逃げる事は負けじゃない、死ぬ事こそが本当の敗北なのだと頑なに信じてきた。
 だから今回も、ソレと同じコト。
 傷を癒し、力を戻し、 “アイツ等” に自分を殺し損ねた事を死ぬほど
後悔させてやればいい。
(……)
 でも、どうしてだろう?
『全然そんな気が湧いて来ないのは』 
「マルコ……」
「アン?」
 雑踏の中で立ち止まり、消え去るような声で自分の被契約者に言った。
「私、戦いだけじゃなく、何かもっと大きなモノに負けちゃった気がする。
一体何の為に今まで戦ってきたのか、それさえも解らなくなっちゃった」
 言うべきか黙するべきか、躊躇うよりも早く言葉は出ていた。
 自省というよりは自暴、自暴というよりは逃避に近い。
 自分でも、何でそんな泣き言めいた事を口にしているのか解らなかった。
 今まで敵と相対した時、当たり前のように在った “憎しみ”
 ソレが無くなったコトにより、そ
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