暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第239話 攻略不安要素
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 ユウキは、少々離れた位置で ニヤニヤと笑っていた。その隣では、シウネーが口許に手を充てて、笑っていた。

 どうやら、シウネー辺りが余計な事を、ユウキに吹き込んだのだろう、とランは察知。

「もうっ、ユウ!」
「あわわっ、ゴメンゴメンっ、ゴメンってば ねぇちゃんっ!」

 むっ、とランがにらみを付けると、あっさりと降参するユウキ。
 そんな2人を笑顔で見守る他のメンバー。

 それらを見ていてよく判る。普段から こんな風に賑やかだと言う事が。

 どうやら、この姉妹の姿は 少々アスナやレイナの姉妹とは少しばかり違う様だ。似ている部分はあるのだが、有り余る元気を持つユウキの印象。その元気は、レイナを上回ってると感じる。そして 穏やかな表情で見守っていたランだったが、そのランにも違う一面があると言う事が判った。
 だからこそ――、リュウキは笑ったんだ。

「あはははっ」

「え??」
「ん??」

 ランとユウキがしっかりと話し合い?? をしている時、リュウキの笑い声が聞こえた為、一度止まり、リュウキの方を見た。

「どーしたの? リュウキ」

 ユウキはリュウキが笑った事に疑問を感じた様だ。
 だから、首を傾げながら訊いた。

「ふふっ……いや、ちょっとな。本当に楽しそうだ、って思ったからついな」

 目元を拭うリュウキ。
 
「オレの知っている姉妹とは、また違った感じがするよ。……でも、温かさは同じだ。やっぱり良いものだな。うん」
 
 にこり、と笑顔を向けてそういうリュウキ。
 その自然な素顔を見て、思わず視線をそらしてしまうのはランだった。ユウキは、その言葉を訊いて、リュウキ同様に笑顔になり。

「えへへー。そーかな? でも、そう言ってくれたら嬉しいね! ありがとっ!」

 くるくる〜と身体を2回転、回って笑顔でリュウキに礼を言っていた。

 そして、その後は少し談笑をした後。

「じゃあ、オレももう行くよ。……明日、皆宜しく」
「うんっ! 宜しくね! リュウキ!」

 ユウキは、笑顔で手を挙げた。

 そして、ノリたちを見送っていた他のメンバーも気付いて。

「明日は宜しくお願いしますね。リュウキさん」
「頼むよー! リュウキ!」
「宜しく」

 シウネー、ジュン、テッチの3人も其々手を挙げた。
 ノリとタルケンは、もう席を外しているから、後1人……、ランだけだった。

 ランはゆっくりとした動きで視線をリュウキの方へと向け、笑顔を見せて言った。

「また、また 明日。宜しくお願いしますね? リュウキさん」

 その宜しく(・・・)の中には、話がある、と言っていた部分が含まれているであろう事はリュウキにも判る。だから。

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