デスゲーム2
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〜キリトside〜
周りのプレイヤーが叫び狂っている中、俺たちは意外と落ち着いていた。
「クライン、龍、ちょっと来い。」
二人を先導して人垣をぬけるべく歩き出した。
広場から放射状に広がる幾つもの路地の一本に入る。
「二人とも、いいか、よく聞け。俺は、すぐにこの街を出て、次の村へ向かう。お前たちも来い。」
「でも・・・でもよ、前に言ったろ。おりゃ、前のゲームでダチだった奴らと一緒に徹夜で並んでソフト買ったんだ。そいつらももうログインしてさっきの広場にいるはずだ。置いて・・・いけねえ。」
クラインの張りつめた視線に込められたものを、俺は如実に感じ取っていた。この男は、その友達全員を一緒に連れて行くことを望んでいる。だが、俺はどうしてもうなずくことができなかった。
クラインと龍だけならレベル1の今でも、好戦的モンスターから守りつつ次の村まで連れていけるという自信がある。しかしあと二人、いやあと一人増えただけでももう危うい。
仮に道中で死者が出た場合、そして茅場の宣言通りプレイヤーが脳を焼かれ現実でも死んだ場合、その責は俺に帰せられなければならない。
ほんの刹那の逡巡をクラインもまた明確に読み取ったようだった。強張ってはいたが、それでも太い笑みを刻みゆうっくりと首を左右に振ってみせた。
「いや・・・おめぇにこれ以上世話になるわけにゃいかねえよな。俺だって前のゲームじゃギルドの頭張ってたんだしよ。大丈夫、今まで教わったテクで何とかしてみせら。だから、おめぇは気にしねえでで次の村に行ってくれ。」
「・・・・・・・・・」
悩んだ末、後の2年間ずっと後悔し続ける言葉を発した。
「そっか。じゃあ何かあったら、メッセージ送ってくれ。」
「おう。じゃあな」
「リョウは?」
「僕もソロで行こうと思います。フレンド登録だけして下さい。」
「了解」
フレンド登録して別れると、それぞれ自分の目的に向かって進みだした・・
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