暁 〜小説投稿サイト〜
IS 輝き続ける光
終着と始発
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、俺は霧雨 闇夜だ」

一夏は闇夜と手を繋いで囚われていた場所を出た。家の為に忙しかった千冬と手を繋いだ事どころか出かけたことすら皆無に近かった彼によって手を繋いで歩くという事は酷く新鮮だった。常に人の体温を感じられるというこの行為に、感動し何時までも手を握っていたいと感じた。

闇夜が泊まっていたホテルへと行き、荷物を纏める。その際に荷物などに薬だと思われる粉などがビンに入っているので医者なのかと聞いてみると正に正解だった。そして荷物を纏めると再び手を繋ぎホテルをチェックアウト、人気の無い裏路地へと入っていった。

「さてと、時間だな」
「時間……?……ヒィ!!?」

そこでいきなり空間が割けて始め、たくさんの目が見えているなんとも奇妙な空間が発生したのだ。一夏はその目に恐怖して闇夜に抱きついた。普通ならば有り得ない光景に恐怖が感情を支配したが、闇夜はそんな一夏を抱き上げた。そしてそのまま裂け目に入っていった。

目玉が乱立する空間、標識や電車などと言った様々なものが浮遊している空間を一夏は闇夜に強く抱きつきながら眼を丸くしてみていた。裂け目を出るとそこは家の中ではふわふわとした金色の髪、赤い瞳に薄い紫と少し濃い目の紫のドレスを纏った日傘を持った美しい女性がバルコニーで椅子に座りのんびりしていた。

「あら、お帰り闇夜」
「今帰りましたよ。紫さん」
「あらっその子は?」

紫と呼ばれた女性は闇夜が現れると旦那の帰りを待っていた妻のように彼を出迎えたが直ぐに抱き上げている一夏に視線を移した

「この子は一夏君。俺が保護した子です」
「そうなの、結構可愛い子ね♪」

紫は椅子から降りて一夏に近づいていく。一夏はまだ怖がっているのか紫が近づいてくると体を震わせているが闇夜に大丈夫だと言われると口を開いた。

「こ、こんにちわ……い、一夏、です……お姉さん」
「まあ♪ありがとう一夏君、八雲 紫よ」

と震えながらも挨拶をした。紫はお姉さんと呼ばれたのが嬉しかったのか笑顔を浮かべながら紫は一夏の頭を撫でた。紫に撫でられた一夏は不思議な気持ちに囚われる、自分の中で渦巻いていた恐怖などの感情が一気に消滅し、代わりに安らぎににも強い眠気が湧いてきたのだ。一夏は感じた事の無い安らぎと眠気に勝つ事が出来ずに眠ってしまう。

「あらあら眠っちゃったわね」
「まあ誘拐されて唯一人の家族に見放されれば疲れますっていうか、紫さん。能力を使いましたね」
「あらバレた?」
「当たり前ですよ、伊達に人賢者って呼ばれてませんよ。それと一夏君は俺が引き取って育てますからね」
「ええ構わないわ。じゃあ私は帰って眠るとするから」

紫は先程、闇夜と一夏が通った空間を開いてその中に入って帰って行った。闇夜は腕の中で眠っている一夏を
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