第六話 勝利の栄冠その三
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一つだ。
この山口をどうするか、阪急攻略の重要なポイントだった。そのポイントが今来たのだ。
確かに有田はかつてどうしようもなく打ち取られた、だがこの時の彼とかつての彼は違っていた。それでだった。
有田は山口の最大の武器の高めのストレート、外角へのそれをバットで一閃した。ボールが打たれる音がしてだった。
打球は大阪球場のスタンドに入った。スリーランホームランだった。かつて打ち取られた男がここで打った。
近鉄ファンはこの一打に沸き返った、まさにこの時こそだった。
「やったで!」
「有田が打ったで!」
「ホームランや!」
「スリーラン入ったで!」
これで四対一だった、流れは大きく近鉄に傾いた。
しかし阪急にも意地がある、八回にこれまで好投していた鈴木を攻めてワンアウト満塁となった。この状況を見てだった。
西本はピッチャー交代を決めた。救援に柳田を送ったが。
この柳田が打たれてしまった、二点タイムリーを浴び一点差になった。しかもランナー一塁二塁だ。尚且つ次のバッターは勝負強く長打もあるマルカーノだ。昨年の後期最終戦で鈴木そして近鉄にに止めを刺した彼である。
そのマルカーノを見て西本はまた動いた、ここでもだった。
「ピッチャー山口」
再び山口だった、彼はそのマルカーノに向かい。
彼を打ち取り次の河村も抑えた。そして。
八回裏の攻撃でだった、平野がツーランを放った。彼もまた山口高志に手も足も出なかったがその剛速球を打ったのだ。
これで試合は決まった、近鉄は遂に二勝目を挙げた。
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