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赤翔玄-剣を握りし果てに-
第0話 英雄の気質-この手に剣を強く握り締めて-
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し隣にいる女性に尋ねた。

「母様、あの若い兵士が“項翔玄”?」
「あぁ、そうだ……朝っぱらから憂鬱な調練だと言うのに、あんなに嬉しそうに人の倍の訓練量を平気でこなす馬鹿は“あいつ”しかおらん。それも生真面目な祖茂の部隊との合同訓練でだ。……たまに、あいつが正気か、どうか、知りたくなる時がある」

 額に手を置き、理解に苦しむと言わんばかりに悩ましい表情を娘に見せる孫堅。それに対して孫堅の娘、長女、孫策は神妙な顔つきで母親に言った。

「項翔玄……不思議な男ね。どうして、あそこまで必死に努力するのかしら?」
「さぁな――――だが、あの男は“英雄”の階段を着実に上っているのは確かだ」
「“英雄”……」
「あぁ」
「彼の背中……誰かの背中に似ている様な気もしないわね?」
「残念ながら孫呉において“英雄”と呼ばれる者は一人しかいない。それを参考にして生きているのなら、嫌でも似て来るだろう?」
「……顔、赤いわよ」
「流石に自分で“英雄”などと口にすれば誰でも赤くなる! ではな、しっかりと冥琳と勉強に励むんだぞ、雪蓮」
「はい、母様――――項翔玄、次代の英雄の……姿か……」


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