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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第一章 開業
第1話 赤黒い目
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。私はずっと人間の奴隷が欲しいと思っていた。我々魔族は人間を捕虜にしてもすぐに殺してしまうから、なかなか私の元へは回ってこなかったが。これは好都合だ」
「はっ。ではただちに」
三人はラクダを降りた。
「え。ちょっと待――」
あっという間に転ばされて全身を縛られた。
そして体を大きな布でグルグルに巻かれ、抵抗もままならないままラクダに積まれた。
魔族? 奴隷? いったい……。
状況が整理できないまま展開していく。
まったく頭がついていかなかった。
***
すぐにどこかに到着するのかと思ったが、予想に反してほぼ丸一日揺さぶられることになった。
横積みされていたので、景色の移り変わりもよくわからない。
やっと揺さぶりから解放されて景色を確認したときには、目の前にずいぶんと立派な屋敷があった。
途中聞こえてきた話では、どうもリンドビオル卿と呼ばれていた人物の別荘らしい。
ぼくはエントランスを入ったところで縛られたまま少し待たされ、縄を解かれた後、広いリビングほどの大きさがある部屋へと案内された。
白っぽい石材を使った壁、そして高価そうなソファやテーブル。
どうやら応接間のようだ。
テーブルを挟んで窓側のほうに、リンドビオル卿と呼ばれていた人物が座っている。
砂漠用と思われたフード付きマントは脱いでおり、いかにも仕立てのよさそうな黒基調の服を着ている。
そしてその右には、黒のワンピースにフリル付きの白エプロン、メイド姿の女性が立っていた。
ぼくは二人に相対するように、向かいのソファーに座っている。
「私の名はルーカス・クノール・リンドビオルだ。ルーカスと呼んでくれればよい。ええと、この場合は自己紹介をどこまですればよいのやら……」
どうやら名前はルーカスらしい。
「フフフ。ルーカス様、前に『大は小を兼ねる』とおっしゃっていませんでしたか。全部言ってしまえばよいのですよ」
「おおシルビアよ。確かにそのとおりだ。素晴らしいぞ」
シルビアと呼ばれたメイド姿の女性も、ルーカス同様に白い肌と長い金髪だった。
しかし彼のように後ろで髪を縛っておらず、背中に流されていた。
目の色は二人とも同じだ。
しかし、今の掛け合いを聞いたからだろうか。その赤黒さはだいぶ柔らかい印象に変わっている。
「フフ。ルーカス様の人間語録はすべてメイド日誌に書いてありますのよ」
「ふふふ。さすがは魔国一のメイド長」
「ウフフフ」
二人を前にどうしてよいかわからず困惑していると、ルーカスは「おお、すまない、人間の少年よ」と言って自己紹介を再開させた。
「私は軍に所属しており、参謀をしている。さらに
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