12話
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いるのです?」
「いや、何。10万3000冊の魔道書により記憶の領域が足りないがために、一年周期で記憶を消す。というその行為自体をやめたくはないか?ということだ。」
(なぜ、そんなことまで)
神裂は驚愕を露にしていた。魔術側でもない人間が禁書目録を知っていただけでなく、あまつさえこちら側の事情まで把握しているのだ。これで警戒するなというほうが無理だ。
「そもそも、脳が記憶のしすぎで使い潰されることはまずない。」
「なっ!?」
突如として告げられた爆弾発言に神裂は絶句する。
「まず、魔術側で作られた生物兵器とかなら知らんが、人間は140年分の記憶領域がある。それに、一年で15%も脳の領域を使うのなら、他の完全記憶能力の保有者も7年しか生きられないことになるぞ。」
目を見開く。だが、神裂がそれを信じるということはない。
最初は驚きはしたがこの少年はきな臭い科学側の人間だ。
しかも出会ってまだ数分の少年の言葉を鵜呑みにするほど神裂は純真無垢ではない。神裂は八幡を睨む。
「そんなことが信じられるとでも?」
対して、八幡も睨み返す。より冷徹に、より寒気を感じさせるように。
「信じる信じないはお前の自由だ。だが、ここで聞き逃すなよ?お前らが唯一掴んだ希望になるのかもしれないからな。だが、ここで信じなければ、結局何も始まらない。また自分にしょうがないと言い訳をして禁書目録の記憶を消すことになるだけだ。」
「貴様...」
ギリィと神裂は歯ぎしりをする。
そんな神裂を流し見て、八幡は上条を担いだ。
「じゃあな。優しい優しい聖女様」
そうして、比企谷八幡は闇の彼方へ消えた。
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