夢A
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【怜治(大学生)×奈々(大学生)です】
蝉が鳴き始め、じわじわと汗をかく季節になるころ。奈々は午前中の講義を受けるために大講義室へ入り席に着くと、大きくため息をついて机へ突っ伏した。
「おつかれ!・・・どうしたの?奈々〜元気ないじゃん」
「お、おつかれえりちゃん!はは、なんでもない!気にしないで〜」
奈々はなんとか笑顔を取りつくろってその場をごまかす。友人はなんとも不思議そうな顔をして、それ以上は何も言わず、隣の席について、その日は同じ講義を受けて、何事もなく帰宅した。
適当に通学かばんを置いて部屋着に着替えた後、そしてまた机に突っ伏す。そう、奈々はある悩みを抱えていた。
(また今日も見てしまった・・・・おかげで寝不足だよ〜〜)
ここ最近、毎日怜治とキスをする夢を見るのだ。いつも真夜中に目が覚め、その後は緊張して目が冴えてしまい、結局眠れない。こんなこと友人にも話せないし、ましてや怜治に話したら絶対にからかわれる。夢ばっかりは自分でもどうにもできない。しかも内容が毎回違い、刺激どころの話ではない。
(会いたいけど、まともに顔みれないかも・・・!)
こうして奈々は、一人悶々と悩むのであった。
「いらっしゃい、奈々」
「お、おじゃまします」
「・・・?」
怜治の休みの日に合わせ、2人は彼の家で過ごすことにした夕方のこと。奈々は玄関で会ったものの、やはり彼の目を見ることができずにいた。怜治は奈々の様子がおかしいことにすぐに気づく。
「あっ、これ差し入れです。すごくおいしかったから、一緒に食べたいと思って買ってきました!」
「ほんとう?ありがとう、冷蔵庫に入れておくから、あとで持ってくるよ」
「はい!」
怜治は奈々から差し入れを受け取り、冷蔵庫に入れる間、自分に思い当たる節がなく、疑問に思った。その後も一緒にご飯を食べ、適当に会話をしながらテレビを見たりしてくつろいでいるときも、やはり奈々はどこかぎこちなかった。ますますあやしくなり、お酒を飲んでいる途中、怜治は隣にいる彼女に問いただすことにした。
「最近、なにかあった?」
「へ!?べ、べつに、なにもないです。ふつうの日常です!」
「ふうん・・・」
「どうして?」
「目、合わせてくれないから」
「!」
あからさまにおどろき、奈々は下を向いた。お酒も入っていることもあってか、動揺が隠しきれてない。自分には話せないようなことがあるのかと怜治はもやもやし、少し苛立ちを覚える。
「俺には、話せない?」
「・・・・・・・・」
奈々はカクテルの入ったグラスを傾けた後、ゆっくりと怜治と顔を合わせた。彼女の頬はほんのりと赤く染まり、瞳は潤んで揺れている。すこし見つめ
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