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立ち上がる猛牛
第三話 二つの過ちその七
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れ言うけどな」
「それはですか」
「実は、ですか」
「ほんまにわしのことを思ってな」 
 そのうえでというのだ。
「言うてるんちゃうか」
「ずっとですよね」
「去年からですね」
「監督鈴木さんに言うてますよね」
「あれこれと」
「そや、もう速球だけやなくてな」
 自慢のそれだけではなく、というのだ。
「緩急つけたりしてな」
「変化球の種類も増やして」
「そのうえで」
「わしはコントロールには自信がある」
 ただ速球がいいだけで一つのチームでエースであり続けることが出来る程プロ野球は甘くはない、鈴木のもう一つの武器はこれだ。
 このことを踏まえたうえでだ、鈴木は話した。
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