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ドリトル先生の名監督
第三幕その八

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 メニューを言っていきました、具体的にです。
「鯖味噌定食?」
「豚カツ定食とか」
「お好み焼きもいいね」
「焼きそばもあるよ」
「おうどんにラーメン」
「親子丼」
「色々あるね」
 それこそというのです。
「スパゲティもあるし」
「ハンバーガーもいいね」
「サンドイッチはどう?」
「ピザも美味しいよ」
「パエリアどうかしら」
「ううん、どれもいいね」
 先生は皆が挙げていったメニューを聞いて言うのでした。
「お話を聞いてると」
「そうだね、どれもね」
「美味しいわよ」
「ただ、全部は食べられないから」
「それが問題なんだよね」
「メニューが多いとね」
 少し困った笑顔になって言う先生でした。
「かえって困るね」
「うん、この学園の食堂ってメニュー多いから」
「食堂自体も幾つもあるし」
「だからね」
「どれかっていうと困るのよね」
「どうにも」
「そうなんだよね」
 実際にと言う先生でした。
「さあ、どうしようかな」
「こうした時はルーレット?」
「何を食べるか決める?」
「そうする?」
「それで」
「そうだね、ここはこうしようかな」
 ルーレットという言葉からです、先生は。
 ふと閃いてです、こう言いました。
「食堂に入って最初に目に入ったメニューだね」
「それだね」
「それにするんだね」
「迷っていても仕方ないから」
「だからだね」
「うん、迷っていてもはじまらないから」
 それならというのです。
「そうするよ」
「食堂に入ってだね」
「それで決めるんだね」
「そうしていくんだね」
「そうするよ、それじゃあね」 
 こうお話してでした、そのうえで。
 先生はこのお昼はそうして決めることにしました、そしてお昼御飯を食べて午後の講義を行ってでした。その後のティータイムの時に。
 お茶とセットを出してくれたトミーがです、そのお茶を淹れながら先生に言いました。
「それでカレーライスとサラダですか」
「そっちにしたんだ」
 先生は白いカップに入れられる紅のお茶を見ながらトミーに答えました。
「最初に目に入ったから」
「だからですか」
「そうしたんだ」
「普通のカレーライスですね」
「そうだよ」
 カレーはカレーでもというのです。
「ビーフカレーだよ」
「カツカレーや海老フライカレーじゃなくて」
「普通のカレーライスだよ」
 あくまでそちらだというのです。
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