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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
21話 一夏VS鈴 その1
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況から鈴さんに勝利を取るのは簡単なことではないですわね」

「……手っ取り早くプレッシャーを処理する方法はあるんですけどね」

 一夏を見ながら何かを考えていた鬼一が小さく言葉を呟く。

「うそっ」

「そうなの、つっきー?」

 まぁ、勝敗はまた別なんですが。と前置きして鬼一は言葉を出す。

「一夏さんには言いませんでしたけど、安全圏にいる連中の評価や期待なんて大したものじゃないんですよ。そしてそんな評価に振り回される織斑先生でもないでしょうね。それに気付くだけでも全然違うと思いますけど」

「結局、自分が原因で織斑先生の評価を下げたくないから自分は負けられない、っていうプレッシャーがあるってこと?」

 一夏の行動原理は『織斑 千冬』の存在に尽きる。どうして一夏がそこまで千冬に拘るのか鬼一は知らないが、一夏は異常なまでに千冬の存在を意識している。だからこそ、今の一夏の体たらくを生み出しているのだが。

「そうです。でも、織斑先生の評価って正直良くも悪くも不動のものだと思うんですよ。織斑先生は今の時代を作り上げた第一人者ですしね」

 だがそれは間違い。一夏が千冬の評価などを気にする必要はどこにもない。第3者からすれば千冬の評価や存在は簡単に揺るぐものではないのだ。

「気にするだけダメってこと?」

「身も蓋もないことを言えば。だから一夏さんは純粋に鈴さんとの勝負に集中すればいいんですよ」

 そもそも、そのような細事を気にして鳳 鈴音という操縦者を倒せない。そんな甘い手合いではなく、それ以上にそんなことを考えるのは鈴に対して失礼とは一夏は考えないのだろうか?

「……」

 話し終えた鬼一は一夏と鈴に視線を向ける。

―――――――――

「一夏っ!」

 鈴からの力強い声で一夏は目が覚めたように顔を上げた。まだ試合が始まっているわけでもないのにその顔には汗が流れており、肩で息を繰り返している。

「……鈴、か?」

 鈴を初めて見たような一夏。どこか浮ついた様子の一夏を見て鈴は一種の危機感を抱いた。こんな幼馴染を見たのは、覚えている限りでは初めてだった。

「……あんた今、余計なことを考えていたでしょ?」

「……違う」

 一夏の言葉だけの否定など鈴は引き下がったりしない。する必要もない。そんなことよりも目の前の幼馴染が揺らいでいる方が問題。

 ―――……鬼一だったらこんなことしようともしないわね、きっと。むしろ利用すらしそうね。

「違わないでしょ。私、あんたのそんな顔初めて見たわよ。凄い苦しんでるでしょ今。その様子だと今のアナウンスも聞こえていなかったみたいだし」

「……アナウンス、入っていたのか」

 鈴の言葉で一夏はアリーナに取り
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