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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
21話 一夏VS鈴 その1
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斑くんはどうすれば勝てるの?」

 結局のところ、一夏が今のままじゃ勝てないのは間違いない。となると、今まで自分がやらなかった新しいことに挑戦するしか道はないだろう。

 あくまでも私見ですが、と前置きした上で鬼一は続きを喋り始める。

「……基本方針はお互いの強みがハッキリしている近接戦で戦う、でいいでしょう。というよりも一夏さんの間合い調節能力を考えればそれしかないです」

 もし、一夏に鬼一のように細かく間合いを管理できる能力があれば、また違う展開があっただろうが今回に関してはない。
 近接戦で圧倒的な強者である鈴を相手に真っ向から近接戦を挑まなければならない。だが、戦うポイントを一夏が選択しなければ負ける。

「となると、ポイントとなるのは一夏さんがどこで仕掛けるか? 少し噛み砕いたことを言えば一夏さんは『タイミング』で戦うしかないかと」

「……タイミング?」

 鬼一は足を組み直し右足の上に肘を置いた。その手の甲の上に顎を乗せる。

「零落白夜を封じた以上、真っ向勝負になったらまず勝ちの目はない」

 鈴は一夏に対して攻め続けるだろう。最短で決着をつけるのが最善手。仮に一夏が攻めに転じる展開になったとしてもそれは無駄だと鬼一は説明する。

「なぜなら一夏さんが仕掛ける時はワンパターンだからです。同じ間合いで同じタイミングで仕掛けてくる。鈴さんも頭に入っている以上、それを片方でも前提条件を崩せばいい」

 鈴クラスの実力の持ち主なら、来るタイミングと仕掛けてくる間合いさえ分かっていれば目を瞑っていても迎撃くらいは容易くこなせるだろう。

「でも一夏さんに間合い調整が出来ない。なら最初に距離を詰めていく中で今までの間合いから遠い位置で一度仕掛ける。遠い位置からしかけることで、鈴さんに一夏さんの動きが前と違うことを印象づけれる可能性があります」

 ここでは説明しなかったが鈴の復帰力も大きな問題になる。どれだけ体勢を崩しても最速で立て直して5分に持ち直す以上、地力で劣っており射撃武装がない一夏に勝算はまず皆無。

 ならば対応を後手に回さなければ勝算は立たなくなる。鈴の対応が遅れ後手にまわり、どれだけ一夏がその隙に全力を叩き込めるか。

「鈴さんは一夏さんの仕掛けてくる間合いを考え直さないといけませんわ。そうすると鈴さんは集中しなければいけない領域が急激に増えます」

 そこで初めてセシリアが鬼一の説明に補足した。

「人間の集中力に限りがあり、負担が大きくなる以上は鈴さんも対応しきれない可能性は大です。1回目で決めれば最上ですが、仮に決まらなくてもそこから読み合いが始まれば決して鈴さんが有利とは言えなくなります」

 鬼一のような桁外れの集中力を持っている人間は例外だとして、鈴
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