第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#21
DARK BLUE MOONXIII 〜D・A・H・L・I・A〜
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アアアアアアアアアアアアアァァァァ
ァァァァァァァァァァァ――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!」
飛翔の速度を全く殺さず、更にスタープラチナのパワーとスピードも上乗せし、
直線軌道でシャナを投擲した。
急場凌ぎとは想えない、息の合ったコンビネーション。
「――ッッ!!」
すぐさまに時間を数秒消し飛ばしたかのようにして迫る、マージョリーの姿。
雲は千切れ飛んだ事に気づかず、炎は消えたその瞬間を炎自身すら認識しない。
ソレほどの速度で空間を疾走った二人の能力
その時の狭間で。未来への軌跡に同調するようにして。
シャナは、既に斬っていた。
(……)
美女はその事実に全く気づかず、ただ歩みを止めただけ、振り向きもしない。
だが然る後に峰へと返された刀撃の斬痕が、メリメリと彼女の躰に刻まれていく。
「――ッッ!!」
同時に体内へ叩き込まれた衝撃に美女が喀血して初めて
「い、一体どっから!?」
神器を介してマルコシアスが叫び、時空を飛び越えて出現した存在を見上げた。
炎の双翼を左右に捺し拡げ、重力を無視して空間上に屹立する一人のフレイムヘイズを。
その直後、斬閃の余波で美女の足場が大きく音を立てて崩れ、
傍にいたラミーは間一髪飛び退いたが最早彼女にそんな余力は無い。
機転を利かせたマルコシアスがグリモアで彼女の背に廻り込んだが、
最早戦うコト等叶わず周囲の瓦礫と共にただ陥落するのみ。
「……」
片手に剣を携えた、重力を制する紅髪の天使が見据える先で。
鮮やかな栗色の髪を周囲に散らばらせながら、
堕天使のようにマージョリーは群青の火の粉と共に堕ちていった。
深い、深い。
底など無い闇の深淵に。
【2】
紅蓮の双翼と流星の流法を併せ蒼炎のフレイムヘイズを
手にした大太刀で完全に討ち果たした少女は、
そのまま相手を追走する事を後回しにし空中に佇んだまま視界を巡らせた。
(!)
目当ての人物は気流と共に開ける眼下ですぐに見つかる。
ホールの外壁にスタンドの指をメリ込ませ、その作用で空中に固定される
カタチになった承太郎が片手をズボンに突っ込んだままこちらを認め、
立てた親指を挙げていた。
(タクシーじゃないんだから)
シャナはちょっとだけムッとした表情のまま滑空し彼の傍へと翔け寄る。
顔は不機嫌だが、心中はソレとは全く裏腹なもの。
コイツの協力がなかったら、フレイムヘイズの使命は果たせなかった。
ラミーを助ける事も出来なかったし、アノ女に勝つ事も出来なかった。
でも抱いた想いは、何よりも強い気持ちは、感謝ではなく、誇り。
自分達の成すべき事を、二人
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