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FGOで学園恋愛ゲーム
十七話:ガールズトーク
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一体どんな顔をして歩いていたのだろうかと今になり後悔するがどうしようもない。
 むしろ、見つかったのがマルタで良かったと気持ちを入れ替える。

「それで、何に悩んでいるのかしら。言えないことなら多少ボカしてもいいわよ」
「あの、一応尋ねますけど話さないという選択は……」
「あなたがそれを選び取る勇気があるのならね」

 ニッコリと笑うマルタだが、その顔には絶対に逃がさないと書かれていた。
 世話焼きの彼女は多少強引であっても彼女の悩みを解決するつもりなのだ。
 デリカシーが無いと言われればそれまでだが、人間時には強引な方が上手くいく時もある。
 ジャンヌは諦めたように瞳を閉じ、覚悟を決めて口を開く。

「あの……つい先日告白を受けまして…」
「恋バナね!? あ、コホン、ごめんなさい。それでどうして悩んでいるのかしら?」

 ジャンヌの言葉に頬を染めて乙女らしく盛り上がるマルタ。
 しかし、すぐに節度のある態度を思い出し、咳払いをして心を落ち着かせる。

「その、返事を待ってもらっているんですが答えが見つからなくて……」
「その人のことが好きじゃないのかしら?」
「いえ! その人は優しくて明るくて、誰とでも仲良くなれる良い人なんです! むしろ、私の方が相応しいか……」

 好きか嫌いかで言われれば間違いなく好きだ。
 特別なものは持っていないというのに、否、普通だからこそ輝く人物。
 自分の方が相応しくないのでは思ってしまうほどにジャンヌはぐだ男の価値を認めていた。

「んー、要するに自分なんかが相手でいいのかって悩んでるの?」
「えっと…簡単に言えばそうなります…かね?」

 特別な愛情。ジャンヌはそれが欲しかった。
 男女の愛でなくてもいい。この人が一番大切だと思えること。
 それが家族に向けるものであっても、友人に向けるものであっても。
 この世の全てを引き換えにできると思える感情が。
 だが、マルタの返答は予想外のものだった。

「本当に好きなら受け入れてもいいんじゃないのかしら?」
「へ? で、でも、私は彼を本当の意味で愛せないかもしれないんですよ!」
「落ち着きなさい。まず、あなたは自分の願いに目を向けるべきよ」

 少し声を大きくするジャンヌを宥めながらマルタは優しい瞳を向ける。

「あなたがその人の傍に居たいのか、それとも居たくないのか。大切なのはそこよ」
「し、しかし、不釣り合いの私が居ても、彼の迷惑に……」

 相手のことを思いやるばかりに苦しい顔を浮かべるばかりで素直に感情を出せないジャンヌ。
 マルタはそんな彼女に小さくため息を吐きながらゆっくりと諭すように語り始める。

「ジャンヌ、あなたの相手を思いやる心は美徳です。ですが、勝手に相応しくな
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