風邪
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った。意味が分からなくて腕を離し、直接顔を見て尋ねた。
「なにがおかしいの?」
「おかしいんじゃなくて、嬉しいんです。私ばっかり頼ってたからいつも悔しいなって思ってて。でも、こうやって頼ってくれてるから、よかったって。私にも出来ることあるんだって、そう思いました」
「・・・・」
「それに完璧超人だと思ってましたけど、こういうところもあるんだって。新たな一面を発見できて、もっと好きになっちゃいました。・・・・あっ・・・」
奈々はまた口を滑らせてしまいました、と控えめに照れ笑いした。そんなことない、自分が奈々にどれだけ助けられてるのか、分かってない。こんな急に呼び出しても嫌な顔一つせずに来て、いつも心配してくれて。
アイドルにストライドに日舞に・・・いつのまにか息を抜く時間を取るのを忘れてしまっていた。全部自分の好きなことだから、大丈夫だと思っていた。でも、こういうことになってしまっている。ほっとできるところを見つけてしまった今では、もう手放せそうにない。
「またこういう日もあるかもしれないけど」
「はい、どんとこいです!」
「変わらずそばにいてくれる?」
「もちろんです!」
「よかった」
「任せてください!」
こうやって弱みを見せれるのも、顔を見て安心できるのも、心からいとおしいと思えるのも、君だけ。
人の気持ちに寄りそえる、優しい君だから、君が他人に向けるそれ以上に、俺は、君をもっと大切にしたい。
「好きだよ、奈々」
ゆっくりと顔を近づけて、唇を重ねた。
また きみのあたたかさを 知る
(もう何度も触れているはず、なのに)
お題元:確かに恋だった
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