誓う蛇
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想以上に重心が後ろだったのか倒れそうになるので籠手の部分を追加で展開して全身を支える。そのまま屈んだ状態になるように補助を行う。
「初めてなら仕方のないことだ。次からは注意しような」
「う、うん」
「それじゃあ、交代だな。電源を落として乗った時とは逆順で降りようか」
井川さんがちゃんと降りたのを確認してからボーデヴィッヒさんに話を振る。
「こんな感じだ。温いと思うかもしれないけど、学園ではこの程度でいい」
「そうか。だが、本当にその程度でいいのか?」
「良いんだよ。学園では平均的な能力になるように指導しているみたいだからな。簡単に言えば極端な落ちこぼれを出さないようにするのが目的だ。だから、この程度で良いんだ。めんどくさいが、政治が絡んでくるからな」
「ここでもか。面倒だがわかった。なんとかやってみよう」
面倒だよな、政治ってやつは。ないと問題だが、人を腐らせやすいし、目立たない罠が多いし。ボーデヴィッヒさんの指導の補助をしながら、班員の指導を行っていく。魔術の指導に比べれば簡単だったこともあり、時間がそこそこ余ってしまった。
「さて、時間が余っちまったな。どうするかな」
「はいは〜い、出来れば匙君のISをじっくり見てみたいんだけど」
「構わないぞ」
全身を展開して翼だけは隠しておく。
「へぇ〜、改めてよく見ると竜を模してるんだ」
「そういえば名前は?」
「一応、ヴリトラで登録している。ヴリトラってのはリグ・ヴェーダなんかに出てくる蛇の怪物で何度でも蘇る不死身の存在なんだ。あとは宇宙を塞ぐものなんて名があってな、乾季を司ったりもしている。で、それを討滅するインドラが雨季を司り、ヴリトラを討滅することで雨季がやってくると信じられてた。不死身って所と、インド系の神に一度は勝っているって所が重要だな」
戦闘になると生き生きしやがるからな。大規模殲滅攻撃とかも多いし、相手をするのが面倒なんだよ。そんなインド系の神、しかもインドラに勝ってるからな。
「剣とかも見せてもらってもいい?」
「見た目より重いから気をつけろ。あと、刃には絶対触るな。指なんか簡単に落ちるぞ」
エクスカリバーとアロンダイト、それにグラムを地面に突き刺す。見えないようにラインで地面に固定しておく。
「装飾もないシンプルな作りなんだね。それなのに何処か惹かれる」
「なんだろう。これが名剣とかって奴なのかな?」
聖魔剣だからな、魔剣の人を魅了する部分が聖剣の力で中和されてちょっと惹かれる程度にまで落ち着いているのだ。
「気になったのだが、その鎧がISなのか?」
ボーデヴィッヒさんが当然の疑問を投げかけてきた。
「変わってるだろう?だが、こいつにだって
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