プロローグその二
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北を喫した。
第一試合の牽制球やまさかのソロアーチで相手に先勝を許しそれからだった。運命の第二試合を迎えたのである。
第二試合で大毎ミサイル打線は大洋のエース秋山登をいよいよ打ち崩す状況にまで迫った。一死満塁、まさに一打出ればそこで決着がつく状況だった。そこでだ。
西本はスクイズを指示した。だがそのスクイズが失敗し攻勢の機会を逸しだ。シリーズはそのまま大洋の四連勝で終わってしまった。大毎は圧倒的な戦力を有しながら大洋に敗れてしまった。そう評されるシリーズであった。
この結果、とりわけ第二試合のスクイズ失敗が問題になりだ。西本はオーナーである永田雅一と衝突して解任されてしまった。その相手であった大洋の監督三原がだ。近鉄の監督として西本の前に再び姿を現したのだ。人の出会いや運命といったものは実にわからないものである。だがこの時の運命はだ。西本にとっては因縁と呼ぶしかないものであった。それは近鉄と阪急、二つのチームにとっても同じことであった。
三原は持ち前の機略で近鉄を勝利に導いていき西本は己が鍛えた選手達をオーソドックスだが堅実な采配で阪急を勝たせていく。そのうえで遂に昭和四十四年に両者は優勝を賭けて争うことになった。
この決戦は西本が勝った。三原の機略に対して西本の采配が勝ったのだ。西本が育て上げた選手達は確かな強さを持っていた。その選手達を育てた手腕でだ。西本は三原に対して日本シリーズでの借りを返したことになったのだ。
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