第二十二話 心と身体その十三
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「この地球にいる人の数だけね」
「人生がありますか」
「そう、だからね」
「僕もですね」
「君の人生を歩くんだよ」
「どういった人生がいいか考えて」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「いい人生を歩んでね」
「わかりました」
「色々な人の話も聞いて」
女になってもというのだ。
「そうしてね、姉さんやお友達の話も聞いてね」
「信頼出来る人のですね」
「そうするんだよ」
「姉さんと、それに」
龍馬の顔を思い浮かべてだ、優花は言った。
「神戸にいる」
「君のお友達だね」
「龍馬っていいます」
岡島に彼のことも話した。
「凄く真面目でいい奴なんです」
「いい名前だね」
その名前を聞いてだ、岡島は笑って応えた。
「どうしてもその名前を聞くとね」
「坂本龍馬ですね」
「あの人を想い出すけれどね」
「彼のお父さんとお母さんが実際に坂本龍馬みたいな人になる様にって」
「そう願って名付けた名前なんだね」
「そうなんです」
実際にという返事だった。
「それで彼自身坂本龍馬のことを尊敬していて」
「器の大きい人にだね」
「なろうって思っていて」
「君が信頼出来る人になったんだね」
「そうなりました」
こう岡島に話した。
「凄くいい奴です」
「いい友達に出会えたみたいだね」
「はい」
優花も微笑んで答えた。
「僕もそう思います、女の子になるって告白しても」
「受け入れてくれたんだね、その蓮見君を」
「それで誰にも言わないでくれました」
「本当にいい友達だね」
「名前の人みたいですよね」
「うん、伝え聞く坂本龍馬みたいだね」
幕末のこの志士の様だとだ、岡島も頷いて答えた。
「器が大きくて」
「彼と出会えてよかったです」
「そうだね、僕も聞いていて思うよ」
「二人がいてくれていますから」
「君もだね」
「助かりましたし」
それにとだ、優花は岡島にさらに話した。
「今も感謝しています」
「そうした人がいることは強いよ」
「そうですね」
「本当にね、それじゃあ完全に女の子になって落ち着いたら」
それからのこともだ、岡島は話した。
「後はね」
「社会に戻るんですね」
「うん、女の子としてね」
その立場でというのだ。
「学校に通うんだよ」
「長崎のですね」
「そうだよ、もう学校は決まってるから」
優花が通うそこはというのだ。
「勉強もしておこうね」
「一応これまでもしてましたけれど」
療養所にいる間もとだ、優花は岡島に答えた。
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