第二十二話 心と身体その十一
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「いつもそうですから」
「そうだね、勉強もするけれど」
「実践ですね」
「行動するんだよ」
それが優子だというのだ。
「君の姉さんはね」
「お料理にもそれが出てますね」
「男まさりっていうけれど」
「姉さんはそちらですね」
「そうした性格だね」
「そうですね」
「それに対して君はだね」
優花の目を見ての言葉だ。
「姉さんが男まさりなのに対して」
「昔から女の子みたいだって言われてまして」
「それがだね」
「最近余計にです」
「そうなんだね」
「はい、そうなっているんじゃないでしょうか」
自分で言うのだった。
「やっぱり」
「そうなんだね、君の前の性格は知らないけれど」
神戸にいる時のだ。
「君自身が言うのならね」
「そうなんですね」
「そうだと思うよ。とにかくね」
「はい、僕はですね」
「女の子になってきているんだ」
心身共にというのだ。
「間違いなくね」
「そうなんですね」
「じゃあ女の子になって」
「それで、ですね」
「幸せに生きるんだよ」
「わかりました」
こう言うのだった、そしてだった。
優花は自分が心も身体も女になっていくことを実感していた、そうしてだった。レントゲン診察の後で遂にこのことを告げられた。
「子宮がね」
「出来ましたか」
「うん」
岡島は診察室で優花に話した。
「写真が出たよ」
「それでレントゲン科の人もですね」
「そう言っていたよ」
「写真あります?」
「これだよ」
こう言って出したレントゲン写真にだ、実際にだった。
丸い部分があってだ、岡島はその部分を指差して優花に言った。
「ここがね」
「子宮ですね」
「そう、そして骨格もね」
「子宮を覆う」
「そうした形になってきているね」
「あの」
岡島の説明を聞いてだ、優花はきょとんとして言った。
「骨格とかは」
「ああ、わからないかな」
「前から聞いていて思ってましたが」
「男女で違いがあるか」
「そうしたことは」
「実はあるんだ」
実際にとだ、岡島は優花に答えた。
「前から話している通りね」
「子宮のこともあって」
「そう、違うんだ」
性別によってというのだ。
「またね」
「こうして見てもわからないけれど、ですね」
「そうだよ」
まさにとだ、優花に微笑んで話した。
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