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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第百五話 幼き魔術師達の覚悟
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ということを考えてもいませんでした」
月村家の秘密には触れぬまま、士郎は海鳴にやってきて月村家との出会いの話をする。
実際には月村家から士郎にアプローチがあったのだが、そこは月村家に都合の良い様に話をずらしている。
「ではアリサとすずかちゃんの素質を知ったのはいつなんだい?」
士郎がアリサとすずかを利用しようとして近づいた訳ではない事に安心したのか、アリサの父親の表情は先ほどよりだいぶ穏やかになっている。
「クリスマス・イブの夜。
二人が魔導というモノに巻き込まれた日です」
「そんな最近のことなのか?」
予想以上に最近のことでアリサの父親をはじめ、皆が目を丸くしている。
士郎が裏の世界に関わることを是としない性格である事、魔術というのが存在しない、又は元の世界ほど規模が多くないと踏んだ時点で魔術師やその素質を持った者が近くにいる可能性を排除した事が故である。
「なのはは二人より更に半年程前に魔導に巻き込まれていました。
切っ掛けとなったのはユーノ、魔導師からの念話を聞いたことが始まりです。
その際、ユーノはなのはにではなく、周囲に救援の念話を行っています。
ですが、その声に気がついたのはなのはだけで、二人は気が付いていない」
「つまり、すずかとアリサちゃんには魔導師としての素質はない。
でも今回巻き込まれてしまった」
士郎の説明に察した忍の言葉に静かに頷いてみせる士郎。
「その通りです。
魔導師でもない二人が結界に巻き込まれた。
そこで考えたのは二つ。
一つは魔導、魔術を使う者と近くにいたために無意識のうちに魔導や魔術に対する耐性が付いたという事。
もう一つは魔導ではない別の素質を持っているという事。
前者はそんな例を聞いたことがなかったので、可能性が高いのは後者と考えました」
「そして、士郎君の考えは当たっていたと」
「はい。出来れば外れて欲しかったのですが」
アリサの父親に対する士郎の返事に、心から魔術という裏の世界に二人を巻き込みたくないという願いが込められていた。
そのまま、士郎は二人がどのような力を持っているのか、そして、既に魔術の鍛錬を行っていることを明かしていった。
「本当でしたら私達に魔術の素質のことを伝えてから使わせるのか相談して欲しいと思いますが、何か考えがあってのことですか?」
当然といえば当然か、二人の了解だけで既に魔術の鍛錬を行い始めていることに不満を感じていた二人の家族達。
その中で、最初の声を挙げたのは、すずかの母親であった。
「一つは素質ある者は近いモノを呼び寄せやすいという一種の特性とでも言いましょうか、何らかの形で巻き込まれる形が高いという懸念があります。
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