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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十三話 長旅は退屈なのです。
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りしたわよ!!」
「それはこちらの台詞ですよ。人が入ってくるのにも気づかないで、独り言をおっしゃって・・・一体何があったんですか?」
「・・・・・・・。」
カロリーネ皇女殿下は急に視線を外した。何か悪戯が見つかった子供のような顔だった。
「ニュースになっていますよ。帝国が和平交渉の使節を派遣する。その代表に・・・。」
カロリーネ皇女殿下はぐっとアルフレートを見つめた。
「ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯が選ばれたのだと。」
「・・・・・・。」
「私が邪推していたら申し訳ありませんが、もし復讐などという馬鹿なことを考えているようなら、すぐに諦めてください。」
「バカなこと!?」
カロリーネ皇女殿下の両目に火がともった。
「バカなことですって!?アンタ、何言っているかわかっているの!?」
カロリーネ皇女殿下がアルフレートの胸元のスカーフをつかんだ。
「わ、私が・・・私が・・・・どれだけあいつらにバカにされ、辱めを受け・・・閉じ込められて死ぬ思いをしたのか、アンタわかっているの!?」
「・・・・・・。」
「私は・・・そのせいで・・・・おじいさまに捨てられたんだよ・・・・。友達も、侍女も、仲間も、私から離れていったんだよ・・・・。」
声が震えた。あの時のことを思いだしているのだろう。アルフレートは無表情のままカロリーネ皇女殿下を見つめていたが、カロリーネがもしもっと冷静に観察できれば、彼の頬の裏にふつふつと湧き上がってきているものに気が付いただろう。
「その時の悔しさを、忘れろっていうの!?今をのうのうと生きろっていうの!?私はあんたみたいな能天気と違うんだ――。」
バシッ!!という音と共に、頬を抑えたカロリーネ皇女殿下がよろめいていた。
「な、何を・・・・・。」
「ふざけるな!!!」
アルフレートの渾身の怒声がカロリーネ皇女殿下にたたきつけられた。
「なっ!?ふざけて――!!」
「ご自分でもよくわかっているはずです!確かにあの貴族共はあなたを追放した。色々とひどい目に合われたことは痛いほど知っています。ですが、そのそもそもの原因はどこにありましたか?!」
「・・・・・・・。」
「原因は他ならぬあなたです!!ラインハルトを陥れよう、殺そう、そうお考えになり、様々な改革に着手しようとなさったから、二大貴族の反発を招いたのです!!彼らだってバカではありません!そういう幻想を抱くのは原作やOVAの中だけで沢山です!!!」
「・・・・・・・。」
カロリーネ皇女殿下は呆然と頬に手を押し当てていたが、その顔が徐々に歪んでいった。
「確かにあなたを追放したのは彼らです。ですが、原因となったことを忘れて彼らに責任転嫁ばかりなさるのは、あまりにも身勝手ではありませんか!!!」

ひっ、ひっ、という空気を吸い込む音がす
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