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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十三話 長旅は退屈なのです。
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乗り切れるほど甘くはないというわけなのは儂とてわかっておる。」
TVカメラの前では二人ともああは言ったが、感触として簡単ではないことは重々承知していたのである。このあたりの政治感覚は大貴族の長だからこそ、さほどずれたものにはならないのだろう。
「そういうわけだ。だったらむしろ、こちらは相手になめられぬよう、わざと居丈高に(いや、必要以上に相手を威圧するのは得策ではないがな。)振る舞うのだ。基本方針はそれで行くべきだろう。」
「ふむ・・・・。」
ブラウンシュヴァイク公は顎に手を当てて考え込んだ。やがてすぐにうなずいた。
「卿の言う通りかもしれんな。それで、今回の和平交渉、目的は如何なるものにするか?」
ブラウンシュヴァイクとリッテンハイムの前のテーブルには、ワインやつまみに混じって、それぞれが考え起草した草案が置かれている。既に二人は互いの草案に目を通して熟読していた。
「最大の目的は『同盟とやらの全面降伏。』だな。これが実現できれば、我らの名は後世に広く知れ渡る。」
リッテンハイムは一瞬そのような光景を夢想したが、すぐに首を振った。
「だが、バカバカしいことだ。同盟とやらが一兵たりとも保有しえない状況ならともかく、奴ら侮りがたい戦力を有している。そういう状態の奴らが降伏など歯牙にもかけぬことくらい、儂でもわかっておるわ。」
「その通りだ。となると、次は如何なることになるかな?」
「第二次の目的は『両者の間の恒久的な和平』だ。だが、これも無理だろう。フェザーンの介入が煩い。奴らは反徒共や儂らをけしかけおるからな。それに、どこの世にも、強硬派という奴はいるでなぁ。」
ブラウンシュヴァイクとリッテンハイムはそろって溜息を吐いた。
「となるとだ、リッテンハイム侯爵。こうなればいよいよもって第三の案だな。一時的な条件付き和平を締結できるよう、努力するほかあるまい。できる出来ないは別としてな。」
「うむ。問題はその結論に持っていく方法だ。」
「ううむ・・・。」
両者は考え込んだ。
「それにつきまして、一言よろしいでしょうか?」
「む?なんだ、フェルナー。」
二人の大貴族が傍らに控えていたフェルナーに目を向ける。
「交渉事で重要なのは、駆け引きで有ります。こちらの手札を敢えて最初から見せつける必要はございますまい。それに、目の前のカードだけがすべてではありません。舞台装置、観客、そういったものを駆使してこそ、一流の勝負師というものではありませんか。」
フン!とブラウンシュヴァイクが鼻を鳴らしたが、どこか面白がっている響きがあった。
「なかなかおもしろいことをいう奴だ。フェルナー・・・中佐であったな。」
「はっ。」
フェルナーはリッテンハイム侯に頭を下げた。その隣でブラウンシュヴァイク公爵が、
「では卿の言うところは、こうい
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