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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十三話 長旅は退屈なのです。
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だと思います。可能性は限りなく低いですけれど、まずは成否を問う前に努力すべきだと私は思うのですが・・・・。」
ためらいがちな、だが澄んだ声でそう発言した女性を皆が見た。フィオーナだった。彼女は確信を持っていったのではなかった。心から純粋な思いを抱いて言ったのだ。
「フィオ。あのね――。」
ティアナが何か言いかける前に、ラインハルトがすばやく、
「すまなかった。純粋なフロイレインの気持ちを踏みにじる発言をしてしまったな。確かにまだ相手にも会っていない段階で成功の是非を論じているようでは、成功するものも成功しない。フロイレインのいう通りだな。」
ラインハルトはすぐに謝った。率直なラインハルトの態度にティアナは軽い驚きを示し、フィオーナは頬をあからめて、
「いいえ、そんな・・・。私こそ出過ぎたことを申し上げました。ですが、仮にミューゼル閣下が全権を委任された場合、どのような方策を御建てになりますか?」
「そうだな・・・・。」
ラインハルトは顎に手を当てて考えていたが、
「私自身は戦って奴らを屈服させ、銀河を統一したいのだが、それは主観だ。それを外して考えると・・・。そうだな、私ならそもそもこの一回の交渉には賭けない。話し合いの場を作り続け、交渉を重ねていくことが重要だと思う。そのためにはマスコミやメディアを最大限活用すべきだな。相手を支えている世論をこちらが誘導すれば、相手はそれに乗るしかなくなるだろう。民主主義とやらを唱えている相手なら、なおさらだ。だが、もっと踏み込んで言えば、自由惑星同盟を屈服させる必要などない。異なる二つの国家が存続することは構わないと思っている。要は永久的な和平が実現できればいいのだろう?であれば、互いの主権を認め合い、内政不干渉の立場を提示すればいい。終着点としては私はそれが理想だと思う。」
この発言は万座の無言の驚きをもって迎え入れられた。フィオーナとティアナでさえラインハルトがこのような発言をすると思っていなかった。まして転生者でない人間にとっては彼の発言は雷鳴のごとくそれぞれの心臓を打ったのである。
「閣下、いささか破天荒なご発言だと思われますが。」
やっとの思いでミュラーが言った言葉が一同の思いを代弁していた。それに対してラインハルトは軽い笑い声をもって迎え、
「いや、私が言ったのは私情を抜きにしての理想論だ。本心から言えば自由惑星同盟とは砲火をもって蹴りを付けたいと思っている。それに恒久的な和平に落ち着くためには一つ・・・いや、二つ重要なことがある。」
ラインハルトは一同を見まわした。
「13日間戦争を覚えているか?地球とやらで行われた2大国家連合が行った戦争だ。最終的には和平になったが、双方が理解しあったからではないし、自発的なものではない。人口の大半と国土の焦土化によって、やむなしというところ
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