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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十三話 長旅は退屈なのです。
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がち初めてというわけではないことがわかる。」
「へ?」
「卿は学校の授業で習わなかったか?昔コルネリアス1世陛下が、大親征を実施なさった時だ。それ以前に何度か自由惑星同盟と称する反徒共のもとに特使を派遣して交渉なさったのだそうだ。」
ミッターマイヤーが教えた。
「あぁ、そういえばそんなことがありましたねぇ。でも、あれは失敗に終わったって話で
結局大親征の前触れに過ぎなかったんでしょう?」
「だが、おかげで自由惑星同盟とやらの内情はつかめたのだそうだ。それに、あのあたりの地理についても航路図として帝国の最重要機密として保管されているはずだ。要は、それを狙った可能性もあるというわけだ。」
ロイエンタールが捕捉する。
「でも、今回の遠征は本気で和平交渉をするっていう噂ですよ?TVで言ってました。ブラウンシュヴァイク公爵やリッテンハイム侯爵がそろって記者会見していましたぜ。」
一人の兵士が言う。
「あぁ。そう言ったのは事実だが、それは表を捕えたものでしかない。TVは人間の言葉や表情を映すが、内面の感情の動きまでは教えてくれないからな。」
と、ラインハルト。怪訝な顔をしている兵士に、
「つまりは、ブラウンシュヴァイク公もリッテンハイム侯も内心では今回の和平交渉については動きたくないと思っていらっしゃる、ということです。それを敢えて和平交渉の使節を引き受けたのは、大貴族の長としての矜持と他の貴族たちに対する意地とプライドでしょう。」
キルヒアイスが説明する。
「なるほどねぇ、貴族って言っても、楽な人生ばかりじゃないんですなぁ。」
ザイデル軍曹が嘆息する。どこか面白がっている響きがあるが。
「で、ミューゼル大将閣下は今回の和平交渉について、どのように成功させるつもりですかい?」
この誰もが抱いている質問に対し、ラインハルトはすぐに回答した。
「正直成功などするはずもない。人種、信条、門地、生まれ育った環境が全く異なる人間同士が、ついこの間まで異なる価値観や政治的信条を知らないで育った人間同士が、まして憎悪を互いにぶつけ合っていた者同士がだ、短時間の交渉でお互いを理解しあい、和解できるはずはない。そこまで人間は単純ではなかろう。まず、まっさきに拒絶反応が、そして互いの嫌悪が出るだろうな。」
それは皆が予期していた回答とずれるところはなかった。互いが「未知」の境遇でさえ、互いを理解しあうところから始めねばならないのに、今回の相手は150年間憎悪をぶつけ合った相手なのである。戦争につぐ戦争とそれに対しての「相手方を仇敵・憎むべき敵・諸悪の根源」などとたっぷり幼少期からすりこまれた思想をわずか数週間で全人類から除去し、和平の手を握り合わせることなど神様でなくてはできないだろう。
「それはそうですが、でもお互いが歩み寄れたら、とても素敵なこと
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