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第五十三話 長旅は退屈なのです。
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念無念という後悔の部分が彼の胸の中で同居していたのである。
惑星ハイネセン 統合作戦本部ビル前――。
シャロン、ラップ、ヤン、この3人が統合作戦本部から久方ぶりに姿を現したのは、帝国和平交渉使節が都市惑星イオン・ファゼガスに到着する前で有った。シャロンとヤンは接待委員としてロボス閣下と共にイゼルローン回廊付近に出迎えに上がるのである。もっともその後ヤンはハイネセンにとんぼ返りして統合作戦本部に詰めることになっていたのだったが。これについてはヤンはシトレ大将に抗議したが「帝国軍人の姿を直に見てもらうことで、今後の君の軍略・戦略の糧としてほしいのだよ。そしてその上で私を補佐してほしいのだ。」と言われてしまってはどうしようもできなかった。
「この後はジェシカと昼食をする約束だったな、場所はどこなのだろう。」
ヤンの言葉にラップが不意に顔を曇らせたのに彼は気が付いた。そういえば今日のラップはずっと沈んだような顔をしていた。病気のぶり返しなのかとヤンは思い、医務室に言ったらどうかと親友に進めたが「いや、大丈夫だ。」の答えしか返ってこなかったのである。
「どうしたんだ?ラップ。」
「なぁ、ヤン。」
ラップはいつになくそわそわとしている。彼の足が止まったので必然的にヤンもシャロンも足を止めることになった。だだっ広い統合作戦本部前の無機質なコンクリートスペースには車両も人も他にいなかった。
「ん?」
「俺たち、知り合ってどのくらいになるかな?」
「なんだ、藪から棒に。そうだなぁ、12年になるのかな。」
「そうか、もう12年か・・・・。ジェシカと知り合ってからもそのくらいになるか。」
ラップは地面に視線を落としていたが、不意に顔をあげ決意の瞳をヤンに向けて、
「実は俺、ジェシカに結婚を申し込もうと思っているんだ。お前さんが留守の間にジェシカにはずいぶん助けられた。病気療養中も何かと世話になったんだ。それで、その・・・・。」
ヤンは言葉をつづけられなくなった親友の肩を優しく叩いた。いつかはこういうときがくる。そう思っていたのだ。それがたまたま今日になったということである。ヤン自身はとっくにそのようなことを受け入れる気持ちになっていた。ずいぶんかかったな。そう思うゆとりさえあった。
「そうか。いいじゃないか。」
「本当に?」
「どうして?」
「そうか・・・。」
「しっかりしろよ、ラップ。そんなことじゃジェシカに面と向かって求婚できないぞ。」
ラップは気弱そうな笑いを浮かべた。
「実はな、ヤン。俺は・・・・。」
ラップの顔をみてヤンは彼が何を言いたかったかを理解できた。そしてそれはヤンにとっては今更聞きたくはなかった言葉である。聞いてしまったら余計に親友を気遣ってしまうし、親友もまた自分を気遣うことになるだろうから。
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