第11話 初めまして
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あ、わかるかな?」
続けて、三人の綺麗な歌声が流れてくる。
間違いなく、僕の前にいる先輩方の歌声だ。ということはつまり、曲は完成したのだろうか...
誰が一体作ったのかな?
「凄い...綺麗な歌声ですね。なんていうか、プロも顔負け?」
「それは褒めすぎだよ〜!」
「そうですか?僕は本当にそう思っただけなのですけど」
「ほんと!それは嬉しいなぁ〜?」
僕はウォークマン本体を借り、画面に注目する。
ジャケットじは...まぁ、オリジナルの曲だから無くてもおかしくは無い。
だから次に視線を僅かに下へずらして曲名を見る。
「.....”START:DASH!!”ですか。なんかパッと見、これから私たちのスクールアイドルの歴史が始まるんだぞー!みたいな感じになってかっこいいですね!最初の南先輩の歌から始まる歌詞も素敵だと思います。僕はほんと、こういうのに無知なので、どこそこがこうだって力説はできないですけど...僕は僕なりに、いいなって思いました」
「いいえ。そういうシンプルな感想だけでも嬉しいです」
「すごいよね!!この歌詞は海未ちゃんが書いてくれたんだよ!やっぱり小学校の時、自作のポエムを書いてた成果が出たんだね!!」
「なぁっ!それは言わない約束でしたよね!?なんで話すんですかー!」
多分彼女たちにとっての、いつもの日常。
高坂先輩が思わず口を滑らせて出てきた話が、園田先輩の過去の話で、恐らくタブー。
真っ赤になって高坂先輩ににじり寄る園田先輩を他所に、南先輩は僕に褒められたことが余程嬉しかったのか、頬を染めてくねくねと恥ずかしがっている。
最近付き合いが増えてきたとは上、相変わらずこのカオスな展開にどうしたらいいのかわからなくててんやわんやするのが僕、高橋春人。
「でも凄いと思いますよ?ちなみに、この曲は誰が作ったのですか?」
「あぁ、この曲は1年生の"西木野"さんという方にお願いしました。穂乃果が強引に」
「もう海未ちゃん!それじゃあ私が無理矢理頼んだように聞こえるじゃん!」
「は、はは..実際そうだと思うよ?」
なるほど。音ノ木坂に凄い女の子がいるんだね。
普通作曲なんてほんの一握りの人しかできないと思ってたけど.....もしかして僕の勘違い?
何はともあれ、漸く全てが出揃ったみたいだ。
確か本番は来週の火曜日。あと10日も無いから先輩は朝早くからこうして必死に頑張っているんだろう.....
僕はサポート役としてここに来たわけだし、かと言って歌と踊りに関して知識が皆無だからアドバイスはできそうにない。
だから僕は来る途中コンビニで買ってきたスポーツドリンクを袋から取り出す。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ