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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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の回復力の高さは驚嘆に値するモノだろう。
 だが、そんな些末な次元の問題じゃない。
 はっきり言って 『全然違う』
 気配も、眼光も、裡に秘めた闘気も、そして何よりもその 【存在感】 が。
 まるで100年も地獄の修羅場を潜ってきたかのような、
“凄味” と 『気高さ』 を否応なく感じさせる。
(私、以上に……? バカな……ッ!)
「おいどーしたマージョリー! (ほう)けてんじゃあねーぞッ!」
 己の脇で叫ぶマルコシアスの声を聞いて、美女はハッと我に返った。
「……」
 眼前の少女は、変わらぬ澄んだ真紅の双眸で己を見据えている。
 昨日の敗北の記憶など一巡を通り越して 『無かったコト』 に変わったかのように。
 その少女の発する気配に呑まれないように、
そして在り得ない、考えすぎだと己を諫めてマージョリーは口を開く。
「何をしに来たかなんて問うのは、どうやら無粋のようね?」
 炎の消え去った腕を腰の位置で組みながら冷然と告げられた美女の言葉に対し、
「えぇ。無益な争いはこちらも避けたいわ。
だから、このままアナタが立ち去ってくれるのが一番良い」
僅かな虚勢も劣等感も抱かず、あくまで尊重のフレイムヘイズへの
敬意を失さぬままシャナはそう返す。
「勿論、その場合はもう二度とラミーに近づかないって約束してもらうけど」
「……」
 やはり、違う。本当に、同一人物か?
 だったら、昨日戦ったあのフレイムヘイズは一体何だったのだ?
 疑念を抱きながらも表情には出さずマージョリーは続ける。
「イヤだ、と言ったら?」
 その瞬間、少女の全身を覆っていた緩やかな気配が、いきなり鋼鉄の如く尖った。
 そして重く静かな声調で、時間すらも吹き飛ばす爆弾のように “警告” される、
一つの言葉。
「後で、死ぬほど後悔するコトになると想うわ……
“私達” 二人を、敵に回したコトを……」
 ソレと同時に、処刑宣告のように自分へと差し向けられる逆水平の指先。
「……ッ!」
 格下相手にこうまで言われる事に対し、胸中で燃え上がる憎しみとは別に、
フレイムヘイズとしての誇りもまた熱を持った。
「失望させてくれるわ。
どうやら、フレイムヘイズとしての自覚がまだまだ足りないようね?
殺すべき “徒” を庇うなんてそんな甘いヤり方じゃ、アンタその内死ぬわよ」
 その歴戦のフレイムヘイズが告げる峻厳な言葉にも、
シャナは微塵も動じず森厳に返す。
「……そうかも、しれないわね。
でも、一つだけ偉そうな事を云わせてもらえば、
私は 『正しい』 と想ったからやってるの。
だから、その結果自分がどうなろうと後悔はない。
血に(まみ)れ報われず、誰にも認識されない封絶の中でも、
私は大切な人と 『信じられる道』 を
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