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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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静にそう分析する。
「おいおいおいおい、まさかここで昨日のガキンチョ、
御丁寧に “ミステス” 付きかよ。
相変わらずテメーのヤる事ァ理解出来ねーなぁ。
悪ィ意味でよぉ。えぇ? 天壌の」
 折角の獲物をズタズタに咬み千切るのを邪魔された苛立ちを隠そうともせず
険悪な声でマルコシアスが告げる。
 その狂猛なる紅世の王の前に、一人の長身の男が敢然と立ちはだかった。
「テメーらが、イカれた戦闘狂のフレイムヘイズ “弔詞の詠み手” とかいう女と、
その契約者 “蹂躙の爪牙” とかいう犬ッコロか?
昨日は、ツレが随分と世話ンなったみてーだな?」
 ラミーの無事を確認し颯爽と振り向いた無頼の貴公子は、
地獄の修羅場を幾度も潜った歴戦の不良のみが持つ
特有の眼光で両者を睨め付ける。
「アァ!? 犬ッコロだとぉ!? ブッ殺されてぇのか只の人間風情がッ!
宝具があるからって調子ン乗ってんじゃあねーぞ!!」
 グリモアから狼の形容(カタチ)を執って騒ぐマルコシアスを、
マージョリーが諫めた。
「つまんない挑発に乗ってるんじゃないわよ。
フレイムヘイズが傍にいるから虚勢を張ってるだけ。
よく視なさい。存在の力なんて殆ど感じないでしょう。
何が入ってるか解らないけど、戦闘用じゃないコトだけは確かよ」
「チッ、覚えとけよ!」
 マージョリーの言葉に、今は私憤よりも優先するべき事を覚ったマルコシアスは
眼前で勇壮に佇む長身の男へそう吐き捨てた。
「また、君達に助けられたな」
 背後でアラストールの施した応急処置により、
立てる程度には回復したラミーが若干焦燥の混じった声で両者に告げる。
「言っただろ? (ナシ)つけるって」
「もう、大丈夫。アナタに絶対手は出させない。
それより、遅れてごめんなさい」
「……」
 振り向いて力強い微笑と共に告げられた二人の言葉に、
ラミーは千の味方をつけたよりも篤い信頼感を覚えた。
 やがてその内の一人、炎髪灼眼の少女が身の丈に匹敵する大刀を片手で携えたまま
悠然とした歩調で、眼前の圧倒的存在感を放つフレイムヘイズへと歩み寄る。
「一日振り、ね。 “蹂躙の爪牙” マルコシアス “弔詞の詠み手” マージョリー・ドー」
「……」
 殺戮の雰囲気で充たされた空間の中、あくまで澄んだ声で告げられた少女の言葉に
美女は一抹の衝撃を覚えた。
「……アンタ、誰?」
 自分でそう言って、マージョリーは想わず唖然となる。
 問う事など愚問、紛れもない、昨日自分が完膚無きまでに
叩きのめしたフレイムヘイズだ。 
 確かに、その才能の片鱗と裡に眠る凄まじい迄の潜在能力の高さは認めた。
 今こうして目の前に立っているコトから、
何とかして己の放った焔儀を耐え抜いた機転と強運、

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