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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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リーは事態を把握できず、
遠間に両者を見据えるラミーの瞳にも結果だけが映るのみ。
「……」 
「……」
 少女をよく識る二人の男の慧眼のみが、
シャナの撃ち放った “剣技” の本質を正確に目視(とら)えた。
「一体、何が起こったのだ? 巧者ではない私の目にも
彼女の攻撃が命中(あた)る距離では無かったと想うが」
「シャナの “手元” を、よく見てみな」
 ラミーの問いに承太郎が悠然とした口調で応える。
 促されて老紳士が視線を送った先。
(……ッ!)
 通常の “掴み” とは明らかに異なる形で、
少女の三本の指が振り抜いた大刀の末端部を支えていた。
「完全に射程距離外から撃たれたシャナの剣は、
アノ瞬間、それを掴む手が柄の根本からその端まで 『横滑り』 してたのさ」
「その結果、切っ先は相手の想定を越え伸長するに至った。
無論、神妙なる指の挙止無くば為し得ぬ “(ワザ)” ではあるがな」
 承太郎の解説に、胸元のアラストールが完璧に補足する。
「オレの “祖先” も、攻撃を繰り出すと同時に腕の関節外して
その射程距離を伸ばしたらしいが、まぁソレと似たようなモンだな。
一流の遣い手ほど相手の間合いを見誤るコトァねぇし、その精度もo単位になる。
その裏を掻いた巧いヤり方だぜ」
 ソノ、スタンド使いと紅世の王両者が惜しみない称賛を送る、
少女の繰り出した斬刀術。
 刹空拡刃。虚現の廻撃。 
『贄殿遮那・火琥流(ヒグル)ノ太刀』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−A スピード−A 射程距離−C(直前で迫るように伸びる)
持続力−E 精密動作性−A 成長性−D




(先手は取った……! さぁ! ここからッ!)
 慮外に静寂、しかし鮮烈に火蓋を切った戦闘の第一合と同時に、
11体のトーガが雪崩れ打つように襲い掛かる。
 だがソレよりも速く、シャナは振り抜いた大刀を反転させて元の掴みに戻し
火花を噴くバックステップでトーガ達の包囲網外側へと移動を開始していた。
 その巨体からは想像もつかない素早い方向転換でトーガの群は彼女へと向き直り、
無数に散開して逃げ場を封じながらその群青の腕を次々と伸ばす。
「――ッ!」
 視線の先にくねりながら現れた7本の爪撃をその俊敏な脚捌き、
更に屋上内部に設置されたガラスの支柱をも利用してシャナは躱す。
 空間に舞い散らばる、キラメク硝子の破片(カケラ)
 防衛反応から無意識にその色彩へと一瞬視線が移るトーガを後目に、
シャナは突如身を低く、滑空するような体勢で一番近距離にいる2体へと挑み掛かった。
 一転、追っていた者が突如追う者に、
「線」 が 「点」 と成ったその動きに対応できないトーガは、
己の右斜め、それもかなり下方から
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