第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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え滾らせていた。
邪魔する者は誰で在ろうとスベテ叩き潰す。
ソレが将来有望なフレイムヘイズだろうが、後の味方に成り得る者だろうが関係ない。
先を見据える未来は跡形もなく灰になり、消えない過去の追憶が生み出す
残酷なる「現在」のみが在った。
しかし勢力と総力で圧倒的に上回っていながらも、
美女は怒りに任せて短絡的な人海戦術等には撃って出ない。
あくまで冷静に、そして冷徹に、100%勝てる炎獣の配列を
脳裡で取捨選択し徹頭徹尾妥協なく構築していく。
まずは、定石通り相手の四肢をもぎ落とすコト。
破壊衝動のままにその躰をバラバラに引き裂くのは、
それからでも遅くはない。
やがて前方で扇状に拡がった炎獣の包囲網が微塵の隙も無く完成する頃、
シャナは己の足下を爪先で叩き戦場の地形を確かめていた。
(ちょっと、滑り過ぎるわね。 “斬斗” は遣えないか。なら……)
心中でそう呟いた後、手にした大刀をおもむろ掲げると、そのまま背へと担ぐ。
そして空いた左手は緩やかに前へと突き出し、
その繊細な指先を順に折り曲げながらゆっくりと手招きをした。
ソレと平行して足下は指の力のみで含むように静かに這わせ、
ジリジリと互いの間合いを詰めていく。
しかし少女の用いたその奇怪な構えに対し、
マージョリーは些かの動揺も示さない。
逆に怒りに伴って尚冴えるその明察により、
少女の攻撃に対応する術を瞬時に生み出した。
(フン……そんなくだらない挑発に乗ると想ってるの……?
焦れて私が腕を伸ばしてきた所を “後の先” で向かえ撃とうって魂胆だろうけど浅いわ。
折角造り上げた鉄壁の包囲網を自ら崩すなんてバカな真似はしない。
間合いに入った瞬間放たれる一撃を、トーガに掴ませるか迎撃させるかして終了ね。
フフフ……)
口元に冷然とした微笑を浮かべながらも、マージョリーの研ぎ澄まされた視線は
互いの間合いを完璧に見極めている。
シャナがどれだけ疾く鋭い斬刀を繰り出そうとも、
“来る” と解っているモノを見過ごす彼女ではない。
(あと……三歩……)
ジリジリと互いの間合いが詰まるにつれ、
美女の躰から立ち上る火の粉もその色彩を増す。
少女は俯くように呼気を呑み、奥歯をギリッと咬み縛った。
(あと、二)
ズヴァァァァッッッッッ!!!!!
突如、何の脈絡もなく響いた斬切音。
シャナの近接、マージョリーからは一番遠方にいたトーガの首が刹那に両断されていた。
次いで宝具の特殊効果により、後に残った首無し胴体は跡形も霧散する。
「ッッ!?」
「……ッ!」
対手であるマージョ
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